米議会 台湾のWHO年次総会への参加支援する法案を可決

米議会 台湾のWHO年次総会への参加支援する法案を可決
アメリカ議会上院は、台湾が求めている、WHO=世界保健機関の年次総会への参加を支援する法案を全会一致で可決し、アメリカではトランプ政権に続いて議会でも台湾の参加を後押しする動きが活発化しています。
アメリカ議会上院は11日、台湾が求めている、WHOの年次総会へのオブザーバー参加を支持し、国務長官に対して参加に向けた戦略の策定を求める法案を全会一致で可決しました。

台湾は以前はオブザーバーの資格でWHOの総会に参加していましたが、4年前に中国からの独立志向が強いとされる民進党の蔡英文政権が発足して以降、招待されておらず、来週開かれることしの総会にも参加の見通しは立っていません。

法案を提出した共和党のインホフ上院議員は11日、声明を発表し、「中国政府が台湾の参加を妨害してきたが、もはや受け入れられない。新型コロナウイルスの感染が世界的に拡大している時に中国政府による外交的いじめがさらにひどくなっている」と述べ、中国政府を非難しました。

アメリカ議会では先週、上院と下院の外交委員会の共和・民主の代表4人が連名でおよそ60か国の指導者に書簡を送って、来週、開かれるWHOの総会に台湾が参加できるよう各国の協力を求めています。

アメリカでは、トランプ政権が台湾の参加を働きかけ中国政府との対決姿勢を強めていますが、これに続いて議会でも超党派で台湾の参加を後押しする動きが活発化しています。

国務省はツイッターで台湾の参加を支持

一方、アメリカ国務省は、12日、ツイッターに「18日から開かれるWHOの総会に台湾が参加することをわれわれは強く支持する」と書き込んだ上で、台湾は参加すべきというメッセージを拡散するよう呼びかけています。

国務省は今月1日にもツイッターに「新型コロナウイルスの発生に際して、中国政府は事実を隠し科学者の口を封じ、言論統制を行ったが、台湾の対応は世界の模範だ」と投稿し、SNS上で台湾が総会に参加する意義を訴えています。

中国 米の台湾参加支持に反発

アメリカがWHO=世界保健機関への台湾のオブザーバー参加を支持する動きを強めていることについて、中国外務省の趙立堅報道官は、13日の記者会見で、「台湾の民進党政権は、新型コロナウイルスの感染拡大を利用して政治的策略をめぐらしており、真の目的は外国の力を借りて台湾独立を目指すことだ」と主張したうえで、「中国は断固反対し、彼らのたくらみは必ず失敗する」と述べて、譲歩しない考えを強調しました。

そして、「アメリカ側には、台湾当局の独立を根ざす動きを支持するのをやめ、感染拡大の抑え込みに向けた国際社会の団結に悪い影響を与えないよう求める」と述べて、アメリカ側に台湾のオブザーバー参加を支持しないよう求めました。