イギリス 政府による賃金支払いの肩代わり 10月末まで延長

イギリス 政府による賃金支払いの肩代わり 10月末まで延長
イギリスは、新型コロナウイルスの影響で仕事がなくなった従業員に対する賃金の支払いを政府が肩代わりする制度について、当初の予定を延長し、ことし10月末まで続けることになりました。
イギリス政府は、雇用維持の対策として仕事がなくても従業員を雇い続ける企業や店舗などに対し、賃金の80%をひと月2500ポンド、日本円で33万円を上限に政府が肩代わりする制度を設けています。

現在、この仕組みでおよそ750万人に賃金が支払われています。

これについてスナク財務相は12日議会で演説し、6月末までとしていた期限を延長し、ことし10月末まで続けることを明らかにしました。

ただ、制度を続けるコストを軽減するため、8月からは企業に一定の負担を求めるなど見直しをはかるとしています。

イギリスでは今週、段階的な制限緩和の計画を発表しましたが、経済活動の全面的な再開までには時間がかかると見込まれており、この制度を終了すると大量の失業者が出るおそれがあると指摘されていました。

ヨーロッパではドイツも、国が事業主を通じて従業員に賃金が減った分の最低60%を給付する制度を拡充し、経済への影響が続くことに備えています。

ただ、航空会社の間では、需要の落ち込みが長期にわたることを見越して人員削減に踏み切る動きも出ていて、賃金を肩代わりする制度だけで雇用を維持することに限界も見え始めています。