新型コロナ 東京都内の感染症指定医療機関の現状は

新型コロナ 東京都内の感染症指定医療機関の現状は
新型コロナウイルスに感染した患者を受け入れている都内の病院では、感染の拡大で一時、満床の状態が続いていましたが、今月に入ってから徐々に緩和してきています。一方で、介助が必要な患者の割合が増え、院内感染のリスクとも隣り合わせで医師や看護師などの負担は重いままだといいます。
感染症の指定医療機関で東京 武蔵野市にある武蔵野赤十字病院は1月下旬から新型コロナウイルスの感染患者を受け入れてきました。

感染者の拡大に伴って病床数を当初のおよそ2倍に当たる45床まで増やして対応してきましたが、ピークを迎えていた先月には常に満床の状態が続いていました。

しかしその後、新規感染者が減少したほか、東京都が軽症の患者などを自宅や宿泊施設で療養する取り組みを始めたことで、入院患者は徐々に減っていきました。

現在、専門の病棟に入院しているのは中等症の患者13人で、ピーク時の3分の1ほどとなっています。

ただ、入院している患者のおよそ半数は透析が必要だったり心臓などに持病を抱えていたりしていて、食事やトイレなど身の回りの介助が必要となっています。

このため看護師は患者と接する機会が増え、感染のリスクが高まることから常に細心の注意を払って介助にあたっています。

病院では院内感染を防ぐためのできるかぎりの対策を取っていますが、それでも先月下旬には専用病棟で働く看護師2人が新型コロナウイルスに感染していることが分かりました。

病院では専用病棟を閉鎖し、新たに小児科病棟を新型コロナウイルスの病棟に転用して入院患者に移ってもらいました。

さらに、病棟で使っていたシーツや枕などをすべて廃棄して新たに購入し直すなどして対策を徹底し、新たな感染を食い止めました。

病院では、一般の緊急手術を行う時や救急患者を診察する時には必ず防護服や医療用マスクを着用し、安全管理の徹底に努めていますが、コロナ以外の患者でも誰が感染しているか分からず、常に緊張感を強いられているといいます。

武蔵野赤十字病院の泉並木院長は「受け入れ態勢に余裕は出てきたが、医師や看護師、それに職員の負担やストレスは軽減されていない。最も怖いのは院内感染で、特に救急で運ばれてきた人がコロナに感染しているかどうかすぐに調べる方法がないので苦労している。今後、再び市中感染が拡大し、患者が増えることも十分考えられるので、今のうちから職員が安全に、そして長期的に働ける体制を作っていくことが大事だと思っている」と話していました。