ドイツ 経済活動制限緩和も流行の広がり示す数値再び上昇

ドイツ 経済活動制限緩和も流行の広がり示す数値再び上昇
ドイツは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために行っていた経済活動の制限を先週、大幅に緩和すると発表しました。その後、流行の広がりを示す数値が再び上昇しましたが、政府の研究機関は新たな感染者の数などと合わせ、総合的に評価する必要があるという姿勢を示しています。
ドイツ政府は今月6日、3月から行っていた経済活動の制限を大幅に緩和し、すべての店舗の営業を認めると発表しました。

メルケル首相は、判断の理由の一つとして1人の感染者が何人に感染を広げているかを示す「実効再生産数」が、流行収束の目安とされる「1」を継続的に下回っていることを挙げました。

ドイツの「実効再生産数」は、先月15日以降「1」をほぼ連日下回り、緩和が発表された今月6日には0.65まで下がっていました。

しかし、その後、再び上昇に転じ、9日には1.10、10日には1.13、11日には1.07と推計され、連続して「1」を上回っています。

一方、新たな感染者数は多いときには6000人を超えていたのが、今では1000人を下回る日もあり、減少傾向が続いています。

こうした状況について、感染症対策にあたる政府の研究機関は11日、感染者数が少なくなる中では実効再生産数の数値の振れ幅が大きくなると指摘したうえで、「実効再生産数が『1』を超えているが、それをもって再び感染が拡大するとは現時点では評価できない」として、今後の推移を注意深く観察するとしています。

この研究機関は、制限緩和の影響などを判断するうえでは実効再生産数だけではなく、1日当たりの新たな感染者数や患者の症状の重さなどと合わせて総合的に評価する必要があるという姿勢を示しています。