生協 宅配注文急増 必要以上のまとめ買いしないで コロナ影響

生協 宅配注文急増 必要以上のまとめ買いしないで コロナ影響
新型コロナウイルスの影響で外出を控える動きが続く中、宅配サービスを行う全国の生活協同組合では、食料品などの注文の急増に対応が追いつかず、一部の商品で配送できないケースも出ているということです。生協はより多くの人に届けるため、必要以上にまとめ買いをしないよう呼びかけています。
このうち神奈川県や静岡県、山梨県でおよそ50万人に宅配する「生活協同組合ユーコープ」では、ことし2月下旬以降、新規申し込みと注文が増え続け、1日当たりに取り扱う商品は飲料水やインスタント食品などを中心に、去年の同じ時期より4割から5割増加しているということです。

神奈川県座間市の施設での仕分け作業では始業時間を1時間早め、およそ20人増員するなどして対応に当たっていますが、通常の1.6倍の時間がかかっているほか、トラックの配送にも遅れが出ているということです。

生活協同組合では新規加入の受付を子育て世帯などを除いて停止し、一部の商品を抽せんで販売するなどしていますが、欠品となる商品が増えていて、配送できないケースも出ているということです。

「ユーコープ」事業本部の櫻本俊之部長は「これほど注文が増えたのは初めてで、利用者の中には買いだめをする傾向もあります。宅配を維持するためにもいつもどおり、必要なものだけの購入を心がけてほしいです」と話していました。

業務増でさらに増員も

横浜市に本部がある「生活協同組合ユーコープ」では、配送先への商品の仕分けを間に合わせるために神奈川県と静岡県にある5か所の物流拠点で、パートの従業員など合わせておよそ130人を増員して対応しています。

また、このうち神奈川県座間市では、施設の稼働時間を6時間長くした午前7時から午後11時までフル稼働となっていて、ベルトコンベアーを流れる箱に食料品を詰め込む作業に追われていました。

ユーコープでは急増する注文に対応するため、さらに70人程度増やしたいとしています。

一方、商品を届ける運転手たちも、新たに生協に加入する人が増えた影響で、これまでは1日当たりおよそ60世帯だった届け先は最大で90世帯近くまで増え、業務の負担が大きくなっているということです。

10年以上にわたって宅配業務を続けているという39歳の男性ドライバーは「トラックの荷台も毎日、ほぼ満杯の状態で、配送作業が増えて遅れが出てしまうこともあります。疲れは日増しにたまり、週の後半は厳しくなりますが、届けたときに『ありがとう』と感謝のことばをかけてもらうと、感染拡大で不安な日々を送る利用者のためにも頑張ろうと心を奮い立たせています」と話していました。