フランス 約2か月続いた外出制限緩和も警戒続く 新型コロナ

フランス 約2か月続いた外出制限緩和も警戒続く 新型コロナ
ヨーロッパで、新型コロナウイルスの感染拡大のペースが抑えられているとして外出制限などを緩める国が相次ぐ中、フランスでも11日から制限が緩和されましたが、公共交通機関では、マスクの着用が義務づけられるなど、引き続き厳しい警戒が続いています。
フランスでは3月17日から市民の外出が厳しく制限されてきましたが、政府は感染拡大のペースが抑えられているとして、11日から制限が大幅に緩和され、多くの商店の営業も認められました。

パリでは11日、多くの店が感染予防策を講じた上で営業を再開していて、女性向けの服やバッグを扱う高級ブティックでは店の人が客に除菌用のジェルで手を消毒するよう促していました。

この店では一度に店に入る客の数を4人に抑えているほか、試着した後の服については蒸気で消毒して、感染の防止に努めているということです。

店の人は「インターネット上でしか販売できずとても厳しい2か月だったので、営業再開を心待ちにしていました」と話していました。

また、11日からは、公共交通機関を利用する際にマスクの着用が義務づけられ、パリ中心部の地下鉄の駅ではマスクが配布されたほか、マスクをしていない人に対しては今後は罰金が科される可能性があることを警察官が説明していました。

フランスでは、パリを含む北東部については、再び感染が拡大した場合、医療機関に大きな負担がかかる可能性があるとして政府が在宅勤務の継続を呼び掛けるなど、引き続き厳しい警戒が続いています。
パリ南部にある創業60年近い紳士服店では開店にあたって店内の消毒を行った上で、来店する客のために消毒液やマスクも準備しました。また、試着した服はアイロンの蒸気を利用して消毒を行うことにしています。

店主のグリジバッツさんは「2か月間、仕事がなかったのは簡単ではありませんでした。少しずつ軌道にのせていければと思います」と話し、客足が戻ることに期待をよせていました。