神戸製鋼所 昨年度決算 680億円の大幅な赤字 鉄鋼製品の需要減

神戸製鋼所 昨年度決算 680億円の大幅な赤字 鉄鋼製品の需要減
大手鉄鋼メーカー 神戸製鋼所の昨年度の決算は、最終的な損益が680億円の赤字になりました。米中の貿易摩擦を背景とした鉄鋼製品の需要減少などが響き、阪神・淡路大震災の影響を受けた1994年度以来、過去2番目の大幅な赤字です。
神戸製鋼所が11日発表したことし3月までの1年間の決算によりますと、売り上げは前の年度より5.2%減って1兆8698億円、最終的な損益は680億円の赤字となりました。

これまでは150億円の赤字を見込んでいましたが、米中の貿易摩擦を背景に、海外の自動車向けの鉄鋼製品の需要が落ち込んだことに加えて、航空機や造船向けの事業などで収益性が低下し損失を計上したため、赤字額が膨らみました。

今回の赤字額は、神戸製鋼所としては阪神・淡路大震災の影響で924億円の赤字を計上した1994年度以来、過去2番目の大きさとなります。

また、今年度の見通しについては新型コロナウイルスの感染拡大の影響が現時点で見通せないとして未定としています。

電話での決算説明会で、神戸製鋼所の勝川四志彦専務は「手元で1460億円の現預金を確保しているほか、銀行の融資枠として1500億円を設定している。今後も資金繰りに万全を期していきたい」と述べました。