全国の大学でオンライン講義 初日にシステムトラブルも相次ぐ

全国の大学でオンライン講義 初日にシステムトラブルも相次ぐ
新型コロナウイルスの感染防止対策として全国の大学では通常の講義に代わり、インターネットを使ったオンライン講義が増えていますが、初日にシステムのトラブルなどで影響が出る大学が相次いでいます。
全国に7つのキャンパスがあり、およそ3万人の学生が通う東海大学は、11日からオンラインによる講義を開始しましたが、10日の夕方から、専用のサイトへの接続ができない状態となり、11日午前中の講義に影響が出たということです。

午後1時までに障害は復旧しましたが、詳しい原因は調査中ということで、システムに何らかの障害が出た可能性があるとしています。

また、早稲田大学も11日からオンラインの講義を始めましたが、サーバーにアクセスが集中したことなどから、一部の動画の再生に不具合が出たり、エラー画面が表示されたりするトラブルが一時発生したということです。

日本大学でも、11日から法学部などでオンライン講義を始めましたが、利用しているサーバーにアクセスが集中したため、ログインがスムーズにできなくなったということです。大学では12日の復旧を予定しているということです。

このほかにも、先週からオンライン講義を開始した明治大学でも、初日の今月7日に学生のアクセスが集中し動作が遅くなるなどの影響があったということです。

専門家「設備増強や制限など対策を」

オンライン講義にトラブルが相次いだことについて、通信ネットワークの構築に詳しい国立情報学研究所の漆谷重雄副所長は「大学のシステムは急な負荷の上昇を想定せずに設計されているため、新型コロナウイルスに伴うオンライン講義という予期せぬ事象に耐えられないのは、やむをえない部分もある。通信量を極力減らし、時間帯を分散してアクセスするなど、『データダイエット』に取り組むと共に、実際の運用を通じて経験を積んで必要に応じて、設備を増強したりアクセスする人数を制限したりするなど、その大学の実情に合った対策を練る必要がある」と話しています。