リビアで戦闘再燃 新型コロナウイルスで停戦の機運高まるも

リビアで戦闘再燃 新型コロナウイルスで停戦の機運高まるも
国が2つに分裂し、戦闘が続く北アフリカのリビアで9日、首都トリポリの国際空港が爆撃され、旅客機や燃料タンクが被害を受けました。新型コロナウイルスの問題を受けて、リビアでは一時、停戦の機運が高まりましたが、すぐに戦闘が再燃し、今月に入ってから市民の死傷者は65人に上っています。
リビアは9年前の独裁政権崩壊後、混乱に陥り、西部の首都トリポリを拠点とする暫定政府と東部の軍事組織との間で激しい戦闘が続いています。

今月7日には首都トリポリのトルコ大使館やイタリア大使公邸がある地域が砲撃を受けたほか、9日にはトリポリの国際空港が爆撃されました。

国連によりますと、国際空港への爆撃で旅客機や燃料の保管施設が被害を受けたほか、市民に犠牲者が出たという情報もあるということです。

国連は8日に声明を出し、今月に入ってから東部の軍事組織によるとみられる無差別な攻撃が増え、8日間で市民少なくとも15人が死亡し、50人がけがをしたとして一連の攻撃を非難しました。

リビアの東西の勢力はことし3月、新型コロナウイルスの対策を優先するため、戦闘の停止にいったん同意しましたが、長くは続かず、すぐに戦闘が再燃し政治的対話のめども立たない状態が続いています。