マスクしたまま運動 熱中症の危険性は? 専門家が警鐘

マスクしたまま運動 熱中症の危険性は? 専門家が警鐘
5月に入り気温が高い日が増える中、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためマスクをつけたまま運動したり、体を動かしたりすることがつらいという声がインターネット上でも多くみられます。専門家は「マスクをつけていると体に熱がこもり、熱中症の危険性が高まることを意識してしっかり水分を補給してほしい」と話しています。
今月2日には全国各地でことし初めて最高気温が30度以上の真夏日となるなど、5月に入って気温が高くなる日が増えています。

こうした中、ツイッター上では「買い物に行くのに片道10分も歩かないんだけど、もうマスクしてはキツイね。暑いし、辛いわ。猛暑の頃まで続くと熱中症ヤバいかも」「運動、すぐにマスクが汗でびしょびしょになり、息を吸うごとに濡れたマスクが鼻と口に張り付くのみで、吸っても吸っても酸素が十分に入ってこない」など、マスクをつけたまま体を動かすことのつらさや体調への影響を不安視するツイートが多くみられます。

中でも「父は軽い熱中症でした。マスクをして水分を補給しないでウォーキングしていたのがいけなかったようです。皆様もお気をつけください!」というツイートは1万1000回もリツイートされています。

専門家「マスクで運動 熱中症の危険性高まる」

熱中症に詳しい帝京大学医学部附属病院高度救命救急センター三宅康史センター長に話を聞きました。

三宅センター長は「マスクをして運動をすると温まった空気がこもって体の外に出せず、冷たい空気で肺を冷やすことができなくなり、体に熱がこもりがちになる。また、マスクというフィルターがあることで、頑張って吸って吐いてとすること自体が熱を生み出すことにつながる。汗もかくし、熱中症の危険性が高まることを意識してほしい」と話していました。

そのうえで「周囲に人がいなければマスクを外して運動をしても問題ないが、そうした環境を作ることが難しい場合、これからの季節は熱中症予防もコロナ感染対策もどちらも考えて運動してほしい。無理をせず体調と相談しながら休みをとること、こまめに水分補給をすること、そして人との距離をとることを心がけてください」と話していました。