保育園 休園や登園自粛続く 長期化に備え対策も 新型コロナ

保育園 休園や登園自粛続く 長期化に備え対策も 新型コロナ
保育園の休園や登園自粛に伴い、東京23区の多くでは登園している園児が1割程度にとどまる一方、緊急事態宣言が今月末まで延長されたことで受け入れを広げたり相談窓口の利用を促したりするなど、事態の長期化に備えた取り組みが始まっています。
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、各地で保育園の休園や登園自粛が続いています。

NHKが東京23区に取材したところ、認可保育園に登園している園児の数は、大型連休前の時点で、世田谷区で全体の4%、渋谷区でおよそ6%、中央区でおよそ9%、北区でおよそ12%など、多くの区で1割程度にとどまっています。

多いところでは練馬区がおよそ40%でした。

家庭での保育長期化 対策乗り出す自治体も

感染拡大を防ぐため引き続き登園する園児の数を抑える必要がある一方で、保育園を利用できないことで保護者が仕事をできず、経済的に困ったり精神的に追い詰められたりするおそれがあることから、保育の受け入れの拡大や相談窓口の利用の促進に乗り出す自治体もあります。

渋谷区は世帯全員が医療・警察・消防などに従事している家庭を対象に8つの園で保育を行ってきましたが、5月中旬から2園増やして10園にし、保護者の仕事や家庭状況についても個別に必要性を聞き取って受け入れを広げる方針です。

杉並区は7日付けで、在宅勤務でも家庭での保育が困難な日や時間帯がある場合は保育園に申し出てほしいと保護者に通知したほか、家庭での子育てに不安がある場合には、保育園や「子育てサポートセンター」に連絡するよう呼びかけました。

緊急事態宣言が延長され家庭での保育が長期化する中、各自治体は保護者の負担感など、個別の事情に配慮して必要があれば受け入れるよう保育園に促しています。

「つい声を荒げる」「子どもに強く当たってしまう」

区内におよそ340の保育施設があり、1万6000人を受け入れている練馬区は先月20日、登園自粛を6月末まで延長したのに合わせて、保護者や子どもの状況を区が把握しようと、保育施設に電話で聞き取りを始めました。

登園自粛が続く中で「精神的に不安定になってしまう」「つい、声を荒げてしまう」「子どもに強く当たってしまう」といった保護者の声が保育施設に届いているということです。

区では、さらに登園自粛が長引き保護者が精神的にも経済的にも追い詰められることで、家庭内暴力や虐待につながるおそれもあるとして、保護者が負担が大きいと感じた場合には子どもを登園させるよう促しているということです。

4月23日時点で区内の認可保育園に登園している子どもは40.5%となっていて、区では感染予防策をとって保育の必要性の高い子どもを受け入れていきたいとしています。

練馬区保育課の宮原正量課長は「本来、必要だから保育施設に子どもを預けているので、自粛を求めてはいますが本当に必要な人には利用してもらおうと、感染対策をとったうえで開園をしています。長引く自粛でなにか困ったことがあれば、まずは相談してほしい」と話しています。