日ロ首脳電話会談 新型コロナ早期収束へ緊密連携・協力で一致

日ロ首脳電話会談 新型コロナ早期収束へ緊密連携・協力で一致
安倍総理大臣は、ロシアのプーチン大統領と電話で会談し、新型コロナウイルスの感染拡大を早期に収束させるため、両国が緊密に連携・協力していくとともに、次の首脳会談の実現に向けて、調整を進めていくことで一致しました。
安倍総理大臣とロシアのプーチン大統領による電話会談は、日本時間の午後5時半ごろから、およそ30分間行われました。

会談で両首脳は、世界的に拡大している新型コロナウイルス感染症に対応するため、日ロ両国の合弁企業が検査キットの製造・販売事業に取り組むなど、具体的な協力が進んでいることを歓迎し、引き続き緊密に連携し、感染の早期収束への協力を確認しました。

また両首脳は、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客の保護などの取り組みに言及し、双方の国民の保護に向けて協力していくことも確認しました。

さらに、平和条約交渉や、北方四島での共同経済活動などをしっかり進め、次の首脳会談の実現に向けて、外交ルートを通じて調整を進めていくことで一致しました。

安倍総理大臣とプーチン大統領による首脳会談は、今月9日にロシアで行われる予定だった、ナチス・ドイツに対する戦勝記念75年の大規模な祝賀行事に合わせて調整されていましたが、感染拡大で行事が延期となり、調整の結果、電話会談が行われることになりました。

ロシアも電話会談の内容を発表

ロシア大統領府も7日、プーチン大統領が安倍総理大臣と電話会談を行ったことを明らかにしました。

大統領府の発表によりますと、電話会談は日本側の提案で行われたということです。

ロシアでは、今月9日が第2次世界大戦でナチス・ドイツに勝利して75年の節目となる戦勝記念日となることから、会談の中で安倍総理大臣はプーチン大統領に祝意を伝えたとしています。

そして両首脳は、新型コロナウイルスの感染拡大を抑え込むため、それぞれがとっている対策について説明し、医薬品の共同開発を含む保健分野における専門機関どうしの連携を拡大する計画について話し合ったということです。

また、経済分野を含めた両国の協力に関する重要な課題も取り上げ、さまざまなレベルで対話を続けることで合意したとしています。

一方、ロシア側の発表では、北方領土問題を含む平和条約交渉について意見を交わしたのかについては触れていません。

新型コロナウイルスの感染者が国内で急増する中、プーチン大統領は日本を含む各国との連携の必要性をたびたび強調していて、今回の電話会談もこうした点を重視したとみられます。