「母の日」カーネーション 需要落ち込む中で出荷作業

「母の日」カーネーション 需要落ち込む中で出荷作業
日頃の感謝の気持ちを込めて贈る「母の日」のカーネーション。しかし、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大で一時、需要が落ち込み市場価格が下落したことから、生産者は大きく収入を減らしながらも出荷作業にあたっています。
カーネーションは5月10日の「母の日」の贈り物として人気で、例年、この時期に出荷の最盛期を迎えます。

埼玉県本庄市の園芸農家 福島恵美さんの農業用ハウスでは母の日の出荷を見据えて例年、この時期に9000鉢のカーネーションを出荷します。

しかし、ことしは新型コロナウイルスの感染拡大で取引先のデパートや生花店が休業していることから注文が激減し、市場価格は最も低いときで1鉢500円と例年の3分の1ほどにまで下落したということです。

福島さんのハウスではこの時期、10人ほどを短期間雇って出荷作業にあたっていましたが、ことしは感染防止のため、雇うことを諦めました。このため、こん包作業など人出が必要なインターネットによる販売を中止し、一時は出荷して採算がとれなければ花を廃棄することも検討しました。

しかし、青森、岩手、宮城の3つの県で7日から店舗などへの休業要請が解除されることになり東北地方の生花店などへの需要が急増し、出荷のめどはたちましたが大幅な売り上げの減少はまぬがれないということです。

福島さんは「これから出荷のピークですが、とても不安です。ことしは天気のよい日が続き、とてもきれいなカーネーションができたので、自粛生活で大変な思いをしている世の中のお母さんたちに届いてほしいです」と話していました。