米の中国への輸出額 前年同期比14%以上減少 新型コロナ影響

米の中国への輸出額 前年同期比14%以上減少 新型コロナ影響
ことし1月から3月までのアメリカから中国への輸出額が、前の年の同じ時期と比べて14%以上減少しました。新型コロナウイルスによる中国経済の低迷が主な要因ですが、トランプ政権は先の貿易交渉で合意したアメリカ産品の大幅な輸出拡大を要求し続けていて、両国の対立が再び悪化する可能性が出ています。
アメリカ商務省が5日発表した貿易統計によりますと、1月から3月までのサービスを除いた中国への輸出額は230億ドルと、前の年の同じ時期と比べて14.6%減りました。

これは新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、企業の生産活動などを制限していた中国側の需要が落ち込んだことが主な要因です。

米中の貿易交渉では、ことし1月、アメリカが中国に対する関税の一部を引き下げる代わりに、中国がアメリカ産の農産品や石油などの購入を大幅に拡大することで合意していました。

このため、トランプ大統領は、中国への輸出額が増えないことに反発を強めていて、再び関税を上乗せする追加措置などをちらつかせています。

米中両政府は、新型コロナウイルスの発生源をめぐって対立を深めていますが、アメリカ側が制裁措置に踏み切れば、一段の関係悪化は避けられない見通しです。