脳梗塞発症 新型コロナ感染による血栓が原因か 米研究グループ

脳梗塞発症 新型コロナ感染による血栓が原因か 米研究グループ
アメリカで、脳の血管が詰まって機能障害が起こる脳梗塞を発症した5人を調べたところ、全員が新型コロナウイルスに感染していることがわかり、医師で作る研究グループは、感染によって血の固まり「血栓」ができやすくなったことが原因の疑いが強いとする報告をまとめました。
ニューヨーク市のマウントサイナイ医科大学の研究グループの報告によりますと、ことし3月23日から先月7日までの2週間余りに、脳梗塞と診断した33歳から49歳までの男女5人を検査したところ、全員が新型コロナウイルスに感染していることがわかったということです。

脳梗塞は再発が多いことが知られていますが、このうち再発は1人だけで、5人のうち4人はその後も治療やリハビリが必要な状態になったということです。

新型コロナウイルスは、心臓や肺の血管の細胞に侵入して、炎症などを起こし、血栓ができやすい状態になることがわかっていて、研究グループは、これが脳梗塞の原因になった疑いが強いとしています。

研究グループの重松朋芳助教は「新型コロナウイルスの患者が重症化する原因の一つは血栓にあることがわかってきている。脳梗塞は早く治療することが大事なので、比較的若くても手足のしびれやことばが出ないなどの異常を感じたら、すぐに受診してほしい」と呼びかけています。

この報告はアメリカの医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に掲載されています。