バングラデシュ ロヒンギャ難民救助し無人島へ 新型コロナ警戒

バングラデシュ ロヒンギャ難民救助し無人島へ 新型コロナ警戒
ミャンマーの少数派のイスラム教徒、ロヒンギャの難民を乗せた船が、新型コロナウイルスを持ち込むおそれがあるとして着岸を拒否され、沖合で漂流するケースが相次ぐ中、バングラデシュ政府は、漂流していた船を救助し、乗っていたロヒンギャの難民を沖合にある無人島に移送しました。
バングラデシュのメディアによりますと、政府は2日、ベンガル湾で隣国ミャンマーの少数派のイスラム教徒、ロヒンギャの難民29人を乗せて漂流していた船を救助し、国内の難民キャンプで新型コロナウイルスの感染が広がるのを防ぐため、沖合にある無人島に移送しました。

この無人島では、バングラデシュ政府がおよそ10万人のロヒンギャの難民を移住させるため、住宅などを整備していますが、サイクロンや高潮で浸水するおそれがあるとして国連などが懸念を示し、これまで移住が見送られていました。

バングラデシュにいるロヒンギャの難民は、劣悪な環境の難民キャンプから抜け出すため、密航業者を頼って船でマレーシアなどを目指す人が後を絶ちませんが、新型コロナウイルスを持ち込むおそれがあるとして、着岸を拒否され、沖合を漂流するケースが相次いでいます。

バングラデシュ政府は、今後も救助したロヒンギャの難民を無人島に移送する予定だとしていますが、国際的な人権団体は今回の措置について、「適切な医療体制がなく、浸水の危険がある島に移送するのは解決策ではない」と非難する声明を出しました。