米高官が中国語で講演“中国は民主化求める声に向き合うべき”

米高官が中国語で講演“中国は民主化求める声に向き合うべき”
アメリカで大統領の次席補佐官を務め、中国政策の鍵を握る1人とされる強硬派の高官が中国語で講演し、中国政府は民主化などを求める国民の声に向き合うべきだと訴え、中国に対して公正な米中関係を目指すよう求めていく方針を強調しました。
ホワイトハウスで安全保障問題を担当するポッティンジャー大統領次席補佐官は4日、インターネット上で行われたシンポジウムで、中国の参加者も念頭に中国語で講演しました。

ポッティンジャー氏は、中国当局が新型コロナウイルスについて公表する前にSNSで警鐘を鳴らして訓戒処分を受け、みずからも感染して死亡した医師の李文亮氏について「大胆で勇敢な行為だった」とたたえました。

また、中国では記者の失踪や追放が相次いでいると指摘したほか、市民の政治参加を訴えて拘束された人権活動家や、大規模な抗議活動を行った香港市民などにも言及し、評価しました。

そのうえで、「いまだにこうした人を『愛国心がない』とか、『親米派だ』とか言うのか。世界は中国の答えを待つ」と述べ、中国は民主化などを求める国民の声に向き合うべきだと訴えました。

またポッティンジャー氏は「アメリカが求めるのは中国への懲罰的な措置ではなく、公正で互恵的な関係だ」として、中国に対して公正な米中関係を目指すよう求めていく方針を強調しました。

ポッティンジャー氏についてアメリカメディアは、新型コロナウイルスを「武漢ウイルス」と呼ぶことを主導するなど、中国への強硬な政策を推し進めるタカ派の高官として存在感を増していると伝えています。