長期化見据え 入所型施設から在宅介護に移行する人も

長期化見据え 入所型施設から在宅介護に移行する人も
感染拡大が続き緊急事態宣言が延長される中、事態の長期化を見据えて、入所型の介護施設にいる親を自宅に引き取り在宅介護に移行する決断をした人もいます。
愛知県の40代の女性は、77歳の母親を市内の老人ホームに入所させていましたが、2月下旬に感染予防のため面会が禁止されました。

母親は、8年前に脳こうそくを患い左半身のまひと意識障害が残ったため、最も重い「要介護5」の認定を受けています。

女性は、毎日のように面会して、まひした肩や腕などを根気強くマッサージしてきましたが、それもできなくなり、筋肉や関節のこわばりが以前よりひどくなっていると感じるようになりました。このまま事態が長期化すれば会えない間に症状が一気に悪化し取り返しがつかなくなるのではないかという不安が募ったといいます。

このため、担当の医師からは在宅で介護するのは難しいと言われましたが、先月30日、施設を退所させ、母親を自家用車に乗せて自宅に連れて帰りました。

女性は、「屋外であっても面会ができない状態が続き、母は建物の中に閉じ込められてしまった。感染リスクを抑えるという施設の対応はしかたないが、母と直接会えない日々は本当にしんどいものでした」と振り返りました。

そのうえで、「母の体に少し触っただけで、以前と比べて手首や指、ひじなどが固まっていることがわかりました。事態が収束する見通しはなく、このままでは母の体も私のストレスも限界に達してしまうと思い、退所を決意しました」と語りました。

女性は、1か月の介護休暇をとり、この間に在宅介護の態勢を整えるつもりですが、要介護5の母親の在宅介護は苦労の連続です。母親はほとんど話すことができないうえ、ベッドから車椅子に移動させる時には介護する側にも大きな身体的負担がかかります。

デイサービスなどを可能な限り利用し、6月には職場復帰したいと考えていますが、今後感染がさらに広がり利用している介護サービスが縮小されるようなことになれば、それもかなわず、生活が成り立たなくなるおそれもあります。

女性は「覚悟をもって退所を決めたが、デイサービスなどを利用すると人との接触が増えてしまうし、自分が感染して母親に移してしまうリスクもあるので、とても怖いです。長期化した場合、1人でどこまでできるか不安は尽きませんが、これ以上母の体が固まっていくのは我慢できませんでした」と話していました。