「宣言延長」自治体は休業要請延長も一部で個別対応の検討へ

「宣言延長」自治体は休業要請延長も一部で個別対応の検討へ
緊急事態宣言が今月31日まで延長されることが決まったことについて、各自治体の反応です。

大阪府 5日再開基準の指標示す

大阪府は5日開かれる対策本部会議で、施設などの再開を判断するための基準となる指標を示すほか、休校が続く府立学校についても今後の方針を決めることにしています。

北海道 休業要請は当面15日まで 臨時休校は31日まで

政府が緊急事態宣言を延長したことを受けて、北海道の鈴木知事は、休業要請は当面15日まで延長し、臨時休校は今月31日まで要請することを明らかにしました。

4日の北海道の対策会議で鈴木知事は、4日の対策会議で「札幌から全道に感染が広がるおそれも高く、依然として予断を許さない状況だ。いったんクラスターが発生すれば、一挙に医療崩壊に結び付くリスクがある」と述べ、感染拡大に危機感を示しました。

そのうえで鈴木知事は、自粛要請など法律に基づいて道が講じる対策を盛り込んだ「緊急事態措置」を緊急事態宣言の期間と同じ今月31日まで延長する方針を示しました。

具体的には、事業者への休業要請は当面15日まで延長します。現在の支援金は15日まで休業や感染防止対策を継続することが支給条件となるということです。

臨時休校は31日まで要請し、分散登校は少なくとも15日までは慎重に取り扱うよう求めました。

さらに鈴木知事は、軽症や症状がない人に療養してもらう「宿泊療養」の3棟目となる施設を確保するよう指示しました。

茨城 休業・外出自粛の要請は今月17日までの考え

茨城県の大井川知事は、緊急事態宣言の延長について、「東京を中心とした感染状況を踏まえるとやむをえないと思う」と政府の判断に理解を示しました。

一方で、茨城県が引き続き「特定警戒都道府県」に指定されたことについては、「県内での新たな感染者は1人かほぼゼロで、この状態が続けば特定警戒都道府県から外れる可能性が高い」と述べました。

そのうえで、現在、県が行っている休業や外出自粛の要請については、今月17日までと期限を区切って継続する考えを示しました。

茨城県は、今後、こうした方針を正式に決めて、今月7日に発表することにしています。大井川知事は「感染症との共生を前提とした生活を模索する必要がある。経済社会活動を再開する出口戦略が求められている」と述べました。

埼玉 外出自粛や休業要請の継続 正式決定

埼玉県は対策本部会議を開き、大野知事は「埼玉県では新しい陽性患者は減少し、感染経路不明のケースも減ってきているが、この傾向が続くのか判断するのは時期尚早だ」と述べました。

そのうえで、行動を抑制することで感染のピークを後ろにずらすなどの対応が重要で、今月7日以降も不要不急の外出の自粛や事業者に対する休業の要請を継続する方針を正式に決めました。

休業要請の対象はこれまでどおりとし、状況に応じて見直すこともあるとしています。

会議のあとの会見で大野知事は「現時点では延長措置は致し方がない。感染の拡大を防ぐためには皆様の協力が最大の武器で、引き続きご協力をお願いしたい」と述べ、外出の自粛や休業要請の継続に対し、理解を求めました。

新潟 外出自粛や休業要請の範囲5日にも公表へ

新潟県は5日夜、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、花角知事は、行動制限の一部の緩和が可能となったことを受けて、県民への外出自粛や休業を要請する業種の範囲などの検討を始め、5日にも公表できるよう県の幹部に指示しました。

この中で花角知事は、「新潟を含む34県は地域の実情に応じて感染拡大防止と社会経済活動の維持の両立に配慮した取り組みに段階的に移行していく方針が示された。現在、県民にお願いしている外出の自粛要請、事業者にお願いしている休業の要請、学校の休校対応などの見直しについて、早急に検討を進め、できるだけ早期に具体的な内容を示せるよう準備を進めていただきたい」と述べ、県民への外出自粛や引き続き休業を要請する業種の範囲、それに県立学校の再開方針などの検討を始め、5日にも公表できるよう県の幹部に指示しました。

このあと、花角知事は「県内の感染の状況は大きな判断の要素の1つであり感染源が不明で、疫学リンクが追えない割合も減少しているがこれで安心できる状況ではない」と述べました。

そのうえで、「休業要請についてはいろいろ意見が出た。専門家や市町村長の意見も聞きながら最終的に固めたい」と述べ、会議の中で、休業の要請をもう少し継続すべきだという意見が出たことを明らかにし、5日、県内の市町村長とも面会し、判断する考えを示しました。

愛知 休業要請31日まで 飲食店など短縮要請も

愛知県は4日夜、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく県の対策本部の会議を開きました。この中で大村知事は「県民にはご不便をかけるが、5月31日まで県の緊急事態宣言と緊急事態措置を延長することにご理解をお願いしたい」と述べました。

そのうえで「引き続き緊張感を持って、外出と移動の自粛の徹底をお願いしたい。『オール愛知』でこの感染症を克服し、県民の命と健康を守り、社会経済活動をしっかり守っていきたい」と述べました。

そして会議では、多くの人が集まる施設などを対象に先月17日から行っている休業要請の期間を今月31日まで延長することを決めました。

飲食店などに対する営業時間の短縮の要請も、今月31日まで延長するということです。

このほか、愛知県教育委員会は、5月末までの休校を決めている県立高校と特別支援学校について、再開後の来月1日から14日までの2週間は、生徒を午前と午後に分けて分散登校を行い、半日の授業とすることを基本とする方針を示しました。

会議のあと、大村知事は、記者団に対し、休業要請などに応じた地元の中小事業者に支払う「協力金」について、「まずは、あさってまでの20日間、協力していただいた事業者に協力金を支払いたい」と述べました。そのうえで、今月7日以降も休業要請に応じた事業者への協力金については、「財源も有限なので、引き続き検討していきたい」と述べました。

岐阜 休業要請31日まで延長する方針

岐阜県の古田知事は4日夜、県庁で報道陣の取材に応じ、政府が緊急事態宣言の延長を決めたことについて、「違和感なく受け止めている」と述べました。

そのうえで「岐阜県のこれまでの方針が変わることはない」と述べ、引き続き外出の自粛を求めるほか県全域を対象にした休業要請を今月31日まで延長する考えを示しました。

ただし、要請に応じた事業者への協力金については今月6日までの期間を対象とする1回かぎりとし、今後は国や県の給付金や補助金などさまざまな制度を活用して支援する方針を示しました。

古田知事は5日、専門家の意見を聞いたうえで県庁で対策会議を開き、今月7日以降の岐阜県の対応を決めることにしています。

石川 休業要請31日まで 事業者対象コールセンター新設へ

石川県の谷本知事は4日夜、記者会見し、政府が緊急事態宣言の延長を決定したことを受け、「石川県は引き続き特定警戒都道府県の1つとなっている。引き続き不自由をおかけするが、これまでの取り組みを継続してもらいたい」と述べ、遊興施設や商業施設などに出している休業要請を今月31日まで延長することを明らかにしました。

そのうえで、不要不急の外出の自粛や県をまたぐ往来の自粛などを引き続き徹底するよう県民に呼びかけました。

また、谷本知事は、新型コロナウイルスの感染拡大で経営が苦しくなっている事業者などを対象に「持続化給付金」や「雇用調整助成金」などの支援策に関する問い合わせをワンストップで受けるコールセンターを新たに開設することを明らかにしました。

京都 休業要請継続も長期化に備え具体的対策を示す考え

京都府の西脇知事は記者団に、「府民の協力で京都では現在のところ爆発的な感染拡大は回避されているが、感染者は引き続き出ていて、予断は許さない状況で、政府の延長の判断は妥当だと考える」と述べました。

そのうえで、「京都府は特定警戒都道府県に指定されており、休業要請をすぐに大幅に変更するのは難しいのではないか」と述べ、5月7日の延長以降も、これまで出していた遊興施設などへの休業や、居酒屋を含む飲食店への営業時間短縮の要請を基本的には継続する考えを示しました。

また、西脇知事は、5日に府の対策本部会議を開いて対応を検討するとしたうえで、「府民に大変な協力をいただいているが、5月31日まで同じようにお願いしただけでは府民の理解は得られない」と述べ、長期化に備えた具体的な対策を今後、示していく考えを明らかにしました。

兵庫 行楽目的の温泉旅館やホテルは5月7日に休業要請解除へ

兵庫県は、遊興施設などへの休業要請を5月31日まで続けることを決めました。一方、行楽を目的とする大型連休中の対策として出していた温泉旅館やホテルなどへの休業要請は、5月7日に解除することを決めました。

兵庫県は、4日夕方に対策本部会議を開き、引き続き「特定警戒都道府県」に指定されたことを踏まえ、人が多く集まる遊興施設や、運動施設、学校などに対する休業要請を5月31日まで続けることを決めました。

また、居酒屋を含む飲食店については、これまでと同様、営業時間を朝5時から夜8時の間とし、酒類の提供については、夜7時までとすることも合わせて要請します。

一方、大型連休中の対策として4月29日から出していた行楽を目的とする温泉旅館やホテルなどへの休業要請は、5月7日に解除することを決めました。

兵庫県の井戸知事は記者会見で、「県民や事業者には引き続き5月31日まで外出自粛の徹底、府県を越えた移動の自粛をお願いしたい」と呼びかけました。

福岡 休業要請延長を決定 学校は「分散登校」を検討

福岡県は4日夜対策本部会議を開き、政府が福岡や東京など13の「特定警戒都道府県」に対し、これまでと同様に行動制限を求めていることを踏まえ、5月31日まで、医療機関への通院や食料品の買い出し、職場への出勤など、生活の維持に必要な場合を除いて外出を自粛するよう改めて県民に要請することを決めました。

さらに、県内の遊興施設や学校、運動施設、商業施設などに4月14日から出している休業要請の期間を基本的に5月31日まで延長することも決めました。

このうち、政府が開放することも考えられるとしている美術館や図書館、屋外の公園などの取り扱いについては、感染防止策が適切に行われているかなどを確認し、慎重に判断するとしています。

また、外出自粛や休業要請の影響で失業した人たちを支援するため、新たに7000人規模の短期雇用の創出に取り組むとしています。就労期間は5月からことし7月までの3か月程度、職種は、介護施設での介護補助や、学校のオンライン学習の支援、医療機関の事務補助などを想定しています。

一方、学校の休校をめぐっては、長期化による学習への影響が懸念されることから、宣言の延長期間初日の5月7日から2週間後をめどに、学年別や学級別に登校日や登校時間をずらす「分散登校」を始めたいとしていて、県内の4つの地域ごとに感染状況や専門家の意見を踏まえて実施が可能か判断する方針です。

福岡県の小川知事は臨時の記者会見を開き、「再び感染者の増加に転じた北海道の例もあり、福岡県も全く予断を許さない状況だ」と述べ、外出の自粛や、事業者の休業の継続に県民の理解を求めました。

そのうえで小川知事は、「みんな一生懸命協力して我慢している。いつになったらそれが解除されるのか、休業が解かれるのか、出口戦略の考えた方と根拠も政府に明確に示してもらいたい」と述べ、どのような場合に措置を緩和できるのか考え方を示すよう国に強く求めました。

また、休業要請に応じないために県が店名や所在地を公表した県内の6つのパチンコ店が現在も営業を続けていることについて、小川知事は、「一致団結してコロナに打ち勝っていこうと協力をいただいている状況で、残念で遺憾だ」と述べました。

そのうえで小川知事は、5日、各店舗が営業を続けていた場合、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づき、より強い行政措置となる休業の「指示」に踏み切る考えを示しました。