摂食障害患者 過食など症状悪化訴え6割超 支援団体アンケート

摂食障害患者 過食など症状悪化訴え6割超 支援団体アンケート
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外出の自粛が呼びかけられる中、摂食障害の患者の症状の悪化が懸念されています。支援団体は実態をつかもうとインターネット通じたアンケートを行っていて、これまでのところ6割以上の患者が過食やおう吐の症状が悪化したと訴えていることが分かりました。
過食や拒食を繰り返す摂食障害の患者は不安やストレスを感じやすく、自宅にいる時間が長くなり食べ物が常に近くにある状況の中、症状の悪化が懸念されています。

専門家などで作る日本摂食障害協会では患者の実態をつかもうとインターネット上でアンケートを行っています。

アンケートでは、以前と比べて症状や生活リズム、それに家族との関係にどんな変化があったのかや、厳しい状況を乗り越えるアイデアなどを聞いていますが、これまでに寄せられたおよそ100人の回答からは「過食が増えた」や「おう吐や下剤の乱用が増えた」というケースが6割を超えているということです。

自由記述からは、感染の広がりが影響して診察やカウンセリングが受けにくくなったという声もあり、協会では今月中に結果を分析し、専門の医療機関と協力して支援態勢を考えていきたいということです。

日本摂食障害協会の理事で明治学院大学教授の西園マーハ文さんは「患者が孤立した状態にいるのではないかと心配している。実態をつかみ、適切な治療に結び付けられるようにしていきたい」と話しています。

支援団体「体に変調感じたら迷わず医療機関受診を」

摂食障害は、太ることが怖くて食べられず痩せ過ぎてしまう拒食や、逆に大量に食べることがやめられない過食の症状などがあり、医療機関につながっていないケースを含めると、患者は全国に数十万人いると専門家は推計しています。

日本摂食障害協会の理事の西園マーハ文さんは「環境の変化を受けやすい精神疾患で、拒食や過食はストレスに直面した時の対処法となっている。時間割りを作るなど毎日の過ごし方の工夫に加えて、できるだけ今の体重を減らさないよう食べやすい食品で栄養を補ってほしい。また食べ吐きしたあとは水でうがいをして胃液の酸から歯を守り、食塩やカリウムが多い食品をとってほしい」と話しています。

そして「過食や拒食をしない完璧な対応を考えるよりも、今できる対応を少しでも行うようにして、自分を追い込まないことも大切だ。体に大きな変調を感じたら、迷わず医療機関を受診してほしい」と話しています。