外来患者の約3%に新型コロナの抗体 神戸の病院で調査

外来患者の約3%に新型コロナの抗体 神戸の病院で調査
神戸市の病院を新型コロナウイルス以外の理由で受診した患者1000人を対象にした調査で、およそ3%から新型コロナウイルスに感染していたことを示す抗体が検出されたことが分かりました。専門家は、「感染者の多さを示しているが、大部分の人は感染していないとも言え、外出自粛などの対策は引き続き必要だ」と指摘しています。
神戸市中央区にある市立医療センター中央市民病院の医師などのグループは、ことし3月末から先月7日にかけて、新型コロナウイルス以外の理由で外来を受診した患者から無作為に1000人を選び、血液中に新型コロナウイルスに感染したあとにできる「抗体」があるか調べました。

グループによりますとその結果、3.3%にあたる33人から抗体が検出されたということです。グループでは、調査の対象が外来患者に限られることや検査の正確性に一定の課題があるとしたうえで、これを神戸市の人口に換算するとおよそ5万人が感染したことになるとしています。

2日夜、記者会見した市立医療センター中央市民病院の木原康樹院長は、「われわれの想像以上に、多くの市民がすでにウイルスと接触し、抗体を獲得している可能性がある」と話していました。

この結果について感染症の予防対策に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授は「実際の感染者の多さを示す貴重なデータだが、大部分の人は感染していないとも言え、外出自粛などの対策は引き続き必要だ」と指摘しています。