パラ選手に心理セミナー 大会延期で抱えるストレスに対処

パラ選手に心理セミナー 大会延期で抱えるストレスに対処
新型コロナウイルスの感染拡大で東京パラリンピックが延期され、選手がストレスを抱えやすい状況が続いているとしてJPC=日本パラリンピック委員会は、選手たちの心理的なサポートを行うセミナーを開くことになりました。
JPC=日本パラリンピック委員会によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、東京パラリンピックが延期されたことで目標を見失ったと感じる選手がいたり、障害によって呼吸機能の低い選手が感染による重症化に不安を感じたりするなど、ストレスを抱えやすい状況が続いているということです。

このためJPCは、パラリンピックの競技団体の強化指定選手、およそ500人のうち希望者を対象に、スポーツ心理学の専門家らがテレビ会議システムを通して心理的なサポートを行うセミナーを今月中に2回、開くことを決めました。

セミナーでは専門家の指導のもと、異なる競技の選手どうしで少人数のグループを作ってお互いの状況を話し合う場を設けるということで、人に話すことを通して現在の率直な自分の気持ちに気付いたり、新たな目標の発見やストレスや不安への対処につながったりする効果が期待されています。

また、パラリンピック競技では、コーチやスタッフの多くが別の仕事をしながら選手を支えているため、1年の延期が私生活に影響しているおそれがあるとして、コーチやスタッフにもセミナーへの参加を呼びかけているということです。

選手の心理的なサポートを担当する日本大学の橋口泰一准教授は、「ストレスが食事や睡眠に影響すれば、外出自粛が明けたあとの競技復帰も遅れかねない。今のうちになぜスポーツをするのかを見つめ直してもらい、新たなモチベーションを得る機会にしてほしい」と話しています。