オーストリア 全商店営業再開 各国制限緩和の動き 新型コロナ

オーストリア 全商店営業再開 各国制限緩和の動き 新型コロナ
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ヨーロッパ中部のオーストリアでは新たに確認される新型コロナウイルスの感染者が減少傾向になっているため、すべての商店の営業を認めるなど制限を緩和し、店には多くの客が訪れました。
オーストリア政府は3月中旬に始めた外出制限について、先月14日から、最初の緩和措置として小規模の商店などの営業再開を許可しましたが、1日から新たな緩和策としてすべての商店の営業再開を認めました。

営業が再開されたウィーン市内の大型書店には午前中から大勢の客が訪れ、店では入り口で客の手を消毒したり店内に入る人数を制限したりして、感染対策を行っていました。

また、これまで、一緒に外出できるのは家族などの同居人に限られていましたが、1mの距離を置けば誰とでも一緒に外出できるようになりました。

そして、10人以下であれば集会が許可されたほか、デモも認められ、ウィーン市内では5月1日のメーデーに合わせて労働者がデモを行う姿もみられました。

新たな緩和策について市民からは「ふだんの生活が戻り始めているのはうれしい」という声の一方、「感染がどうなるかわからないので不安だ」という声も聞かれました。

オーストリアは今後、感染状況を注視しながら制限を段階的に緩和していく予定で、今月中旬からは、レストランの営業再開や小中学校の校舎での授業再開も目指しています。

インド 段階的に緩和の方針

インドでは、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、生活必需品の買い物などを除いて原則として外出が禁止されています。

この外出制限は今月3日までとしていましたが、インド政府は、17日まで2週間延長すると先月30日に発表しました。

これによって全土で鉄道の運行が引き続き停止され、学校や娯楽施設などの閉鎖も続きますが、それ以外の制限についてインド政府は、感染の状況に応じて段階的に緩和する方針も示しました。

このうち、新たな感染者が3週間以上確認されていない地域では感染対策を取れば企業などの経済活動を認め、路線バスやタクシーの運行も一定の条件で許可するとしています。

一方、首都ニューデリーや最大の商業都市ムンバイなど感染者の多い地域で経済活動の再開が認められるのは、生活必需品に関連する企業や小規模店舗の営業など一部にとどまっています。

政府は、経済に深刻な影響が出ていることを考慮して外出制限の緩和に踏み切った形ですが、感染者は3万5000人を超えて増え続けていて、さらなる感染拡大につながる懸念も出ています。

南ア 感染対策と貧困対策 難しい課題

南アフリカでは新型コロナウイルスへの対策で3月下旬から全土での外出制限や国境の封鎖が続いていますが、国民の半数近くを占める貧困層を中心に生活が困窮する人が増え、商店の略奪や治安部隊との衝突も起きています。

このため政府は経済活動を一部再開するため、1日から外出制限を部分的に緩和し、鉱山や一部の製造業などが再開できるようになりました。

また、レストランは引き続き店内での飲食やテイクアウトが禁止されていますが、宅配にかぎり営業が認められました。

最大都市ヨハネスブルクにあるレストランでは5週間ぶりに調理場に人が戻り、ローストチキンなどを作り始め、宅配アプリを通じて寄せられる注文に応じていました。

オーナーのカロギルさんは「まだ十分ではないが、少なくとも15人は仕事に戻ることができた。マスクの着用が義務化され、従っている」と話していました。

ただ南アフリカでは感染者が増え続けていて、感染のピークは7月から9月までの間に来ると予測されており、感染症対策を徹底しながら貧困対策も進めるという難しい課題に直面しています。