各個人に合わせリハビリ動画を無料提供 こもりがちな高齢者に

各個人に合わせリハビリ動画を無料提供 こもりがちな高齢者に
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新型コロナウイルスの影響が長引く中、感染をおそれて自宅にこもりがちな高齢者の筋力低下などを防ごうと、兵庫県のリハビリ施設が一人一人の体の状態に合わせたオーダーメードのリハビリ動画を無料で提供する取り組みを行っています。
もともと加齢によって体の機能が低下している高齢者は、外出を控え自宅にこもりがちな生活を続けていると、筋力などが衰えて介護が必要な状態に近づくおそれがあります。

このため、脳梗塞などで体にまひがある人のリハビリを専門に行っている兵庫県西宮市の施設では、高齢者が自宅にいながらリハビリを続けられるよう、一人一人の体の状態に合わせたオーダーメードのリハビリ動画を無料で提供しています。

理学療法士や作業療法士が電話で希望者の体の状態や悩みを聞き取り、楽に立ち上がる方法や硬直した体のほぐし方など、570種類のリハビリ動画の中から数種類を選んで組み合わせます。

動画は早ければその日のうちに、遅くても数日以内にはメールで届き、何度でも無料で利用できるということです。

「動きのコツ研究所リハビリセンター」の生野達也代表は「高齢者やまひがある人たちは、体力や筋力が落ちてしまうと自粛が解除されたあとの生活に大きな影響が出るおそれがある。皆さんの笑顔のために、体が元気になるお手伝いをさせていただきたい」と話していました。

デイサービス利用控える男性も実践

3年前に脳梗塞を患って右半身にまひが残り「要介護3」の認定を受けている大阪府の上田満幸さん(68)は、週2日デイサービスに通ってリハビリを続けていました。しかし、30人近く集まることから、新型コロナウイルスへの感染をおそれて利用を控えるようになりました。

自宅にこもりがちになったことで体力がどんどん低下していると感じた上田さんは、オーダーメイドのリハビリ動画の提供を希望しました。

上田さんが「立ち上がる時にまひがある右足に力が入らなくなってきたことが悩みだ」と話すと、理学療法士は、まひがある右足に力が入りやすくなる立ち上がり方など4種類の動画を実践すべき順番に組み合わせて提供しました。

動画を受け取った上田さんは、タブレット端末で動画を見ながら同じ動きを繰り返し実践していました。

上田さんは「ただ立ち上がるだけの動作でも足に力強さを感じられます。動画を見ながら自宅でリハビリするのは1つの方法だと思いました」と話していました。