NPO「生活保護の申請妨げる対応しないで」新型コロナ

NPO「生活保護の申請妨げる対応しないで」新型コロナ
新型コロナウイルスの影響で生活に困窮する人が出てくる中、生活保護を受けようとしても、実家に戻って就労支援を受けることを提案されるなど、別の選択肢を示されて申請を断念するケースが目立つようになっているとして、支援団体は自治体に申請を妨げるおそれのある対応をしないよう求めています。
若者の労働相談に応じているNPO法人POSSEによりますと、新型コロナウイルスの影響で仕事がなくなった人が生活保護を受けようとしても、ほかの選択肢を示されて「申請を妨げられた」と訴えているケースが相次いでいるということです。

このうち、派遣や住み込みの仕事を転々としていた20代の男性は、都内の福祉事務所を訪れたところ、担当者から「紹介できる住まいが大部屋しかない」とか「実家のある地方で就労支援を受けたら」などと言われたということで、「生活保護を申請できなかった」と訴えています。

NPO法人では、今後も生活に困窮する人が増えることが懸念される中、広く生活保護の受給を認めるため自治体は申請を妨げるおそれのある対応をしないよう求めています。

厚生労働省は、生活保護の手続きの簡素化を進めているほか、住まいの紹介が必要な場合は感染拡大を防ぐため個室の利用を促しているとしたうえで、「個別の事例は把握していないが、申請を妨げていると疑われるような行為も含めて慎むべきで、困窮状態を踏まえて速やかな保護決定に努めてほしい」としています。