二酸化炭素の排出量減少も温暖化解決にはならない コロナ影響

二酸化炭素の排出量減少も温暖化解決にはならない コロナ影響
国連のグテーレス事務総長は、新型コロナウイルスの感染拡大による経済活動の停滞で二酸化炭素の排出量が減っているという認識を示す一方、「地球温暖化の解決にはならない」と述べ、これを機に再生可能エネルギーへの投資を強化して転換を図るべきだと訴えました。
グテーレス事務総長は30日、インターネットを通じて記者会見を開き、感染拡大により経済活動が停滞した結果、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量が減っているという認識を示す一方、「感染の大流行は地球温暖化の解決にはならない」と述べました。

そのうえでこれを機に再生可能エネルギーへの投資を強化して、転換を図るべきだと訴えました。

これに関してWMO=世界気象機関は、二酸化炭素の排出量の減少は一時的なもので、経済活動が再開されれば再び排出量は増えかねないと指摘しています。さらに感染拡大は災害時の対応にも深刻な影響を与えるとして「感染を抑えられなければ異常気象の際に人々が密集した場所に避難したり、暑さを避けたりすることができなくなる」と警告しています。

グテーレス事務総長は新型コロナウイルスに関して発言する際、温暖化対策にもたびたび言及していて、感染拡大や経済への対策の一方で、温暖化対策への取り組みが弱まることへの懸念を強めているとみられます。