首相 宣言の解除は海外の制限緩和の考え方など参考に判断

首相 宣言の解除は海外の制限緩和の考え方など参考に判断
5月6日までとなっている緊急事態宣言をめぐり、安倍総理大臣は参議院予算委員会で、宣言の解除にあたっては海外の制限緩和の考え方なども参考にしながら、専門家の意見も聴いて判断していく考えを示しました。
自民党の宇都隆史氏は、学生への支援をめぐり「学業を断念することがないよう、国として、これからの日本を担っていく学生の皆さんを、きちんとサポートしていく姿勢を示すべきだ」と求めました。

これに対し、萩生田文部科学大臣は「家計急変への支援策として、ことしから始まった新たな奨学金制度は、今月も学校で申し込めるよう説明を続けている。また、授業料や入学金の納付猶予や減免などを大学側に要請するとともに、補正予算案で各大学が独自に行う授業料の減免策も支援し、大学生などが進学や修学を断念することがないようしっかり支えていきたい」と述べました。

公明党の竹谷とし子氏は、休業中の支援について「雇用主が雇用調整助成金を申請せず、無給休業を余儀なくされている方や、逆に、生活のために出勤せざるをえないという人もいる。災害による休業などの場合に雇用保険を受給できる特例措置を適用するなど、何らかの対策を講じるべきだ」と求めました。

これに対して安倍総理大臣は「従業員の立場に立って何が必要か検討させたい。政府としては、雇用維持が図られるように徹底的に下支えするとともに、経済雇用情勢がどのように推移するかをしっかりと見極めながら、必要に応じた対応を講じていく」と述べました。

公明党の浜田昌良氏は「支援策のすべてを困窮している当事者に、確実、迅速に届けるためには関係者が緊密に連携し、支援窓口のワンストップ化が特に重要だ。各省庁の前例にとらわれない対応に向けて、リーダーシップをお願いしたい」と求めました。

これに対し、安倍総理大臣は「経済対策の効果が国民や事業者の手元に速やかに届くことが何よりも重要で、オンライン化をはじめ、制度や運用上の見直しを利用者本位できめこまやかに速やかに行い、支援の迅速化に全力で取り組みたい」と述べました。

日本維新の会の浅田政務調査会長は、緊急事態宣言を解除する際の判断基準について「例えばEUでは、1人の感染者が何人にうつすのかを示す『実効再生産数』が1を下回ること、PCR検査体制の拡大、集中治療室の確保を解除条件にしている。極めて合理的な考え方で参考になると思うが、どのように考えるか」と質問しました。

これに対し、安倍総理大臣は「EUで、各国が導入した外出禁止などの制限措置を緩和する出口戦略の指針を発表したことは承知をしている。このような海外の考え方も参考に、専門家の皆さんとよく相談をしていきたい」と述べました。

また、西村経済再生担当大臣は「専門家の皆さんは、大きく2つのことを基準、目安と考えている。1つは新規感染者の数で、実際に何人にうつしているのかも指標として見ている。もう1つは、医療の体制で、特に、重症者や受け入れのベッドの数なども見ながらさまざまな議論をしているところで、専門家の意見を聴きながら適切に判断をしていきたい」と述べました。

共産党の小池書記局長は、売り上げが減少した中小企業などに最大200万円を支給する「持続化給付金」について、「1回こっきりの給付金では企業は守れない。しかも緊急事態宣言を延長するならば、さらなる補償が必要だ。絶対に企業はつぶさないという姿勢を示すべきだ」と指摘しました。

これに対して安倍総理大臣は、「休業要請などで売り上げがゼロになるところは当然、対象になる。状況がどうなっていくか十分に注視しながら、より長引き、そして相当状況が悪化していく中では、更なる対応も当然、判断していきたい」と述べました。