“全面解除難しい 延長するかはある程度前に判断” 首相

“全面解除難しい 延長するかはある程度前に判断” 首相
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来月6日までとなっている緊急事態宣言について、安倍総理大臣は参議院予算委員会で、現状では、全面的な解除は難しいという認識を示したうえで、延長するかどうか、期限のある程度前に判断する考えを強調しました。
国民民主党の森ゆうこ氏はウイルス検査について、「検査があまりにも少なすぎて、全体がわからない。希望する人が受けられるようにすべきだ。安倍総理大臣の本気度が足りないのではないか」とただしました。

これに対して安倍総理大臣は「これまで検査の能力を1万5000まで上げ、2万件まで能力を上げていくことを決めている。歯科医師会にもご協力をいただくが、さまざまな目詰まりや地域ごとの差などがある。なるべく機能をフルに活用し、医師が必要と認めた方が検査を受けられるようにしていきたい」と述べました。

また、来月6日までとなっている緊急事態宣言について、安倍総理大臣は「専門家の皆様の分析と意見をいただき判断したいと考えているが、現状の状況としては、医療現場は大変過酷な状況だ。医療従事者の皆様には大きな負担がかかっており、依然厳しい状況は続いているのではないかと考えている」と述べました。

そのうえで、延長するかどうかの判断をする時期について、「行政上の課題や準備などもあるので、ギリギリということではなく、ある程度その前に決めたいと考えている」と述べました。

自民党の宇都隆史氏は保健所の負担軽減について、「患者の発生数で、東京で症状確認中とされる人の数が多いのは、検査の結果が出た後に、保健所が連絡をしても、連絡に出ない人の割合が非常に多いからだということだ。若い人はLINEで通知をするなど、工夫していくべきではないか」と質問しました。

これに対し、橋本厚生労働副大臣は「厚生労働省として、陽性でも軽症の方に、スマホなどで健康状態を入力してもらえるようなものなど、いくつかのシステムを準備し、保健所の負担を軽減できるように取り組んでいきたい」と述べました。

さらに萩生田文部科学大臣は学校の休校をめぐり、「子どもたちを感染リスクから守りながら、学びを保障していくためには、段階的に、必要最小限度の教育活動を開始していくことが重要だ。その際、例えば任意の分散登校を行い、進学を控える最終学年から学習活動を開始するなどさまざまな工夫が考えられる。専門家会議の皆さんのご意見も伺いながら、連休前には一定のガイドラインを示していきたい」と述べました。

菅官房長官「適切なタイミングで判断」

菅官房長官は午前の記者会見で、「国民の協力や医療現場の献身的な努力によって、今のところ諸外国のような爆発的な感染拡大は発生していない。一方で、いまだに多くの新規の感染者が発生しており、引き続き厳しい状況にあると認識している」と述べました。

そのうえで、緊急事態宣言の延長について「専門家の意見をうかがいながら判断していく。混乱が生じることがないように期限となる来月6日に先立って、適切なタイミングで判断したい」と述べました。

自民 岸田政調会長「一日も早く現金給付を」

自民党の岸田政務調査会長は、インターネットを活用して行われた派閥の会合で、「補正予算案が成立したら、現金給付などの施策を一日も早く国民に届けなければならない。緊急事態宣言の動向なども見ながら機動的に対応すべきで、必要なら連続して対応を積み重ねていく気構えを持っておかなければならない」と述べました。

国民 大塚代表代行「政府は検査数を把握できず 宣言継続か」

国民民主党の大塚代表代行は記者会見で、「政府は、何人がウイルス検査を希望していて、そのうちの何件が実施されたのかを把握できていないため、感染者数が減少傾向でも緊急事態宣言を継続せざるをえなくなっているのではないか。やむをえないとも思うが、説明責任を果たすべきだ」と述べました。

公明 山口代表「5月6日で終わる認識ない」

公明党の山口代表は、党の中央幹事会で「感染の拡大が抑えられつつあるが、5月6日で緊急事態宣言が終わるという認識は持つことができない。政府として、専門家の意見を踏まえ、その後の見通しを早く明確に示すことが大切だ。外出自粛を徹底することによって、感染拡大を一気に低下させる努力をしていかなければならない」と述べました。

共産 志位委員長「感染は好転せず 深刻な事態続く」

共産党の志位委員長は、記者会見で「期間の延長は政府が判断することだが、緊急事態宣言が発令された今月7日時点と比べて、感染の状況が好転したという認識はない。公表されているデータを見ても、深刻な事態が続いている」と述べました。

日本医師会 横倉会長「緊急事態宣言解除は難しい」

日本医師会の横倉会長は、記者団に対し「医療崩壊を起こさないためにも、緊急事態宣言を解除するのは難しいと思っている。全国一斉にやらないといけない」と述べました。

一方、「感染者が出ていないところで順次学校を開いていくのは大事であり、現場の声を反映した形で考えていくべきだ」と述べました。