米FRB ゼロ金利政策など金融緩和策の維持決定

米FRB ゼロ金利政策など金融緩和策の維持決定
アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、金融政策を決める会合を開き、新型コロナウイルスの感染拡大で急速に悪化している経済を支えるため、ゼロ金利政策など先月、相次いで導入した異例の金融緩和策を維持することを決定しました。
FRBは29日まで金融政策を決める会合を開き、終了後、声明を発表しました。それによりますと、アメリカ経済は新型コロナウイルスの感染拡大が、経済活動の低迷と失業の急増をもたらしているうえ、需要の減少による原油価格の下落が物価上昇を抑えていて、景気の先行きには大きなリスクがあるとしています。

このためFRBは先月、緊急で相次いで導入したゼロ金利政策や無制限の量的緩和策を維持することを全会一致で決めました。

また、今後について、雇用と物価を安定化させる目標が軌道に乗っていると確信できるまで、異例の金融緩和策を継続するとしているうえ、必要に応じてさらなる措置も検討していく方針を示しました。

FRBのパウエル議長は記者会見で、アメリカ経済は今月からの3か月間が最も深刻になるという認識を示したうえで、「多くの人がウイルスが十分に制御されていると確信できるまで、さまざまな活動をためらうため、以前の経済状況にはすぐには戻らない」と述べ、景気の回復には時間がかかるという認識を示しました。