女性への暴力 3100万件増と予測 国連人口基金 新型コロナ影響

女性への暴力 3100万件増と予測 国連人口基金 新型コロナ影響
国連人口基金は、新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限などの影響で、DV=ドメスティック・バイオレンスをはじめとする女性や少女に対するさまざまな形の暴力が3100万件増えるとする予測を発表し、警鐘を鳴らしました。
UNFPA=国連人口基金は、大学などと、新型コロナウイルスの感染拡大が女性や少女に与える影響を調べ、今後の予測について、27日、発表しました。

それによりますと、外出制限で家で過ごす時間が増えたことや経済的な不安などから女性がパートナーから暴力を受けるケースが増えていて、外出制限などが少なくとも6か月間続いた場合、DVをはじめとする身体的、性的、それに精神的な暴力などが3100万件増え、3か月延長されるごとに、さらに1500万件増えると予測しています。

このほかにも、外出制限などが6か月間続いて保健サービスを受けられなくなった場合、コンドームや避妊薬が手に入らなくなることで望まない妊娠が700万件に上るとしています。

また、児童婚をなくすための取り組みも中断され、今後10年間で本来なら回避できたはずの1300万件の児童婚が行われると予測しています。

国連人口基金のカネム事務局長は女性や少女に対する影響は深刻だとしたうえで「世界的な感染拡大が不平等をより浮き彫りにした。サービスの継続や物資の供給でぜい弱な人たちを守り、支えなくてはならない」と警鐘を鳴らしました。