プライバシーどう守る? 新型コロナ対策にAI活用の一方で

プライバシーどう守る? 新型コロナ対策にAI活用の一方で
新型コロナウイルス対策として、人の行動分析などでAI=人工知能の活用が期待される一方で、プライバシーの侵害などへの懸念もあることから、大手企業などで作る団体がAIの倫理的な活用に向けて話し合いました。
これはAIを活用する大手企業などで作る団体が開いたもので、28日の会合には大手電機メーカーやIT企業など11社がオンラインで参加しました。

会議では、新型コロナウイルスの対策ではスマートフォンの位置情報の解析やテレワークの際の勤務管理などAIの活用が進められていることが報告され、そのうえで国際機関などから新型コロナウイルス対策を目的にしたAIの活用が、プライバシーや人権の侵害につながるとの懸念が表明されていることが紹介されました。

そして国内でも、AIの安易な活用で個人の行動が詳細に追跡できてしまう可能性や、感染シミュレーションなどが不用意に示されることで特定の地域に対する差別や偏見が生まれるおそれがあることなどが指摘されました。

団体では今後こうした事態を避けるため、倫理的なAIの活用の在り方についてガイドラインの作成を目指すということです。

「AIビジネス推進コンソーシアム」の曽我部完会長は「新型コロナウイルス対策でデジタル化が進み、あらゆるものがAIの分析対象になってくる。活用方法だけでなく倫理面の検討も早急に進める必要がある」と話していました。