コロナ感染の入所者は優先入院を 介護老人保健施設が要望

コロナ感染の入所者は優先入院を 介護老人保健施設が要望
施設に入所している高齢者が新型コロナウイルスに感染しても入院できないケースが相次いでいるとして、全国の介護老人保健施設でつくる団体は、入所している高齢者が感染した場合は優先的に入院できるよう厚生労働省に要望しました。
要望したのは「全国老人保健施設協会」で、28日夜、東京都内で会見を開きました。

それによりますと、各地の介護老人保健施設では入所している高齢者の感染が確認されたものの「病床が足りない」といった理由で医療機関に入院できないケースが相次いでいるということです。

こうした施設では感染した人を個室に隔離したり、職員が防護服をつけて介護したりしていますが、濃厚接触者として職員が自宅待機を余儀なくされたり、認知症の人が感染し歩き回ったりするといった問題が相次いでいるということです。

協会は、入所している高齢者への感染が確認された場合は優先的に入院できるよう厚生労働省に要望しています。

介護老人保健施設での感染をめぐっては、千葉県の松戸市と市川市の施設で入所者合わせて17人が亡くなっていることが明らかになっています。

全国老人保健施設協会の平川博之副会長は「介護職員も感染症は専門ではなく、このままだとさまざまな問題が起きる。病床を増やしてもらうよう何とかお願いしたい」と話していました。