全国銀行協会 店舗で「3密」にならないよう呼びかけへ

全国銀行協会 店舗で「3密」にならないよう呼びかけへ
新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛が呼びかけられる中、住宅地にある銀行の支店などでは、来店客が増え緊急事態宣言がでる前よりも混雑する店舗が出ています。
全国銀行協会は、いわゆる「3密」にならないよう口座の解約など、急ぎではない手続きは可能な範囲で後日にまわすよう呼びかけることになりました。
たとえば、三菱UFJ銀行では在宅勤務をしている人が増えていることから住宅地にある店舗の今月の来店客が、2月よりも20%余り増えているということです。

全国銀行協会は、資金繰りの相談など急ぎの用件で訪れる人に加えて、口座の解約や古い紙幣や記念硬貨の両替、届け出印の変更といった手続きに訪れる人が増え、店舗の中がいわゆる「3密」にならないようにしたいとしています。

このため、急ぎではない手続きは可能な範囲で、後日にまわすよう利用者に協力を呼びかけることになりました。

振り込みなども、できるだけインターネットバンキングを利用してほしいと呼びかけています。

全国銀行協会の三毛兼承会長は28日電話で会見し、「資金繰りの支援や決済などの重要なサービスが止まると、社会生活が大変なことになってしまいます。店舗をクラスターにしないことが重要です」と協力を呼びかけました。

銀行では店舗に行列も

大手銀行の三井住友銀行では、2月よりも30%ほど来店客が増えている店舗もあります。

目黒区にある店舗は28日も、29日からの大型連休の前に現金を引き出したり、振り込みの手続きをしようと大勢の客が訪れていました。

この店では店舗内での感染を防ぐため、ATMに並ぶ際などには客どうしの間隔を2メートルほど空けるよう呼びかけているため、午前中には一時店舗の外にまで行列ができていました。

また、古い通帳を新しいものに交換してほしいと来店する客もいたということです。

この店舗では、感染拡大を防ぐため出勤する行員を交代制にして窓口を減らしています。

また、こまめに店内を消毒したり、マスクをしていない客には手作りのマスクも配ったりして感染を防ぐ対策をとっています。

店では、混雑を避けるために利用客にも協力をお願いしたいと話しています。

三井住友銀行自由が丘支店の春名文仁支店長は「従業員も家にいたいというのが本音かもしれないが、社会インフラを守ろうと努力しています。お客様には今、その手続きが本当に大事かを考えていただき、可能な範囲で来店する日をずらしたり、インターネットバンキングを利用してほしい」と話していました。

信金トップからは悲痛な手紙

「このままでは通常営業を続けることができなくなります!!」

ウイルスに感染する恐怖に耐えながら公的なインフラとして業務を続ける金融機関の現状を伝えてほしいと、NHK宛てに信用金庫のトップから手紙が届きました。
送り主は東京 品川に本店のある城南信用金庫の川本恭治理事長です。直筆の手紙のコピーが28日、NHKに届きました。

「われわれ信用金庫も社会インフラの一端として営業継続が求められています。同時に出勤者の削減も求められています。職場から感染者が発生しても、営業を継続しなければならないため、平常時の半分の人数で2班体制で営業しています。一人当たりの事務量の増加で精神的・肉体的な疲労が蓄積して限界に近づいております」川本理事長は、そう現場の状況をつづっています。

そのうえで、最近の現場で起きていることをいくつか指摘しました。
▽在宅勤務がスタートしてから来店客が増加。古い通帳がでてきたので解約したい。
▽イライラしているお客様が多く店頭で声を荒げる人がいる。
▽ウイルスが付着していると嫌だから新札に両替してくれと要求される。
平時では考えられないことが起き、現場は混雑していると説明しています。

さらに川本理事長は「地域経済を守るため困っている事業者のみなさんに融資できるよう毎日夜遅くまで頑張っています。仕事、雇用の維持のため、コロナ収束後の日本経済V字回復のためやれることは何でもやっています。ですので、なんとしても活動・営業を止める訳にはいきません。そのためにもお客様の不要不急のご来店をご遠慮頂きたいのです。ステイホームです。ステイホームさえしていただければ相当数の問題が解決します。お客様、地域経済を守ることは当然ですが、職員の健康、その家族も守らなければいけません」と訴えました。