首相 新型コロナ対策の家賃支援「必要ならちゅうちょなく」

首相 新型コロナ対策の家賃支援「必要ならちゅうちょなく」
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新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍総理大臣は、衆議院予算委員会で、賃料の支払いが困難な事業者などへの支援について、「さらなる対策が必要ならば、ちゅうちょ無くやるべきことをやる」と述べ、自民党などの議論も踏まえ、支援を検討する考えを示しました。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けた経済対策を盛り込んだ補正予算案は、28日から衆議院予算委員会で実質的な審議が始まり、午前中、自民党、公明党、立憲民主党などが質問に立ちました。

自民党の岸田政務調査会長は、賃料の支払いが困難な事業者などへの支援について、「家賃で困っている方々には、無利子無担保の融資を活用して必要な資金を手にしてもらう。返済に際しては、給付金や助成金、免除といった形で国が責任を持つ。融資と助成のハイブリッド型の新たな仕組みにより、固定費の支援が考えられないか」と質問しました。

これに対し、安倍総理大臣は「外出自粛などの要請で、家賃の支払いに苦慮している事業者がたくさんいる。テナント事業者には、実質無利子無担保の融資制度を用意するなど、資金繰りに対処していくほか、地代や家賃については全国平均を参考に最大200万円を支給することで徹底的に支援する。賃貸事業者には家賃の猶予で大幅に収入が減少した場合には固定資産税の減免をする」と述べました。
そのうえで、「ハイブリッド型の支援について、党の検討の結果は政府としてもしっかり受け止める。この状態がさらに延びていけば、さらなる対策も必要となるので、ちゅうちょ無くやるべきことをやる」と述べました。

また、実質無利子無担保の融資や、持続化給付金などの手続きについて、安倍総理大臣は「今まさに非常時であり、多くの方々が、経営を続けることができるかどうか、まさに生きるか死ぬかの状況に直面をしている中においては今までの発想を変えなければならない。まずは危機を乗り越えることを最優先にして、不正などには事後対応を徹底すればよいと考えている。雇用調整助成金や、各種の給付金についても、とにかく1日でも早くお手元にお届けできるように、あらゆる運用面での工夫を講じていきたい」と述べました。

公明党の斉藤幹事長は、治療薬について、「アビガンは、国内では、新型コロナウイルス感染症への対策用としてはまだ承認されておらず、希望する患者が自由に使うことができない状況だ。緊急事態宣言下であり、疾病のまん延を防止するために、医薬品の特例承認という制度があるが、なぜアビガンを特例承認できないのか」と指摘しました。

これに対し、安倍総理大臣は「日米で共同治験を行ってきた、レムデシビルについては特例承認を行う方向で進めている」と述べ、抗ウイルス薬「レムデシビル」については、緊急の場合、審査を大幅に簡略化できる「特例承認」を行う方向で検討を進めていることを明らかにしました。
また安倍総理大臣はアビガンについて、「新型コロナウイルス感染症では承認は受けていないが、できるだけ多くの人が使いやすいように、患者が希望して病院の倫理委員会を通れば処方される。患者の方はぜひ使いたいという自分の意思を伝えて病院で対応をしてもらえればと思う」と述べました。
さらに「観察研究あるいは臨床研究という形で、相当症例も重なってきた。また企業治験もスタートしているが、相当厳格な条件で行っており、症例がまだ十分ではないということだが、臨床研究が進んでいる中で、中間評価的なものができないか議論してもらっている」と述べました。

立憲民主党の枝野代表は、アルバイトの収入が減って生活が厳しい大学生への支援をめぐり、「アルバイトがないと生活が成り立たない、学費が払えないという学生がいる。持続化給付金を、アルバイトによって生活と学業という事業を持続できるようにするために、例外的に使うことはできないか」と求めました。

これに対し、安倍総理大臣は「今月から開始した高等教育の就学支援新制度では、学生生活の必要をカバーするために十分な給付型奨学金の支給を行うこととしており、感染拡大などの影響を受けて家計が急変した場合には、それを加味した所得見込みで支援の判定を行い、生活に対する支援も行う」と述べました。
そして安倍総理大臣は「持続化給付金は、大変厳しい状況に置かれている中小・小規模事業者の皆さんを対象としており、給与所得が減少した学生やアルバイトは含まれていないが、雇用調整助成金は学生やアルバイトを含む非正規雇用も対象としており、ぜひ、雇用者には、これを活用してもらいたい」と述べました。