フランス 新型コロナ 死者の4割が高齢者施設で死亡に課題も

フランス 新型コロナ 死者の4割が高齢者施設で死亡に課題も
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フランスでは新型コロナウイルスに感染して2万2000人を超える人が死亡し、このうち4割が高齢者施設で亡くなっています。集団感染も相次ぎ、感染防止と介護を両立させる難しさが浮き彫りになっています。
フランスでは全国に7000ある高齢者施設の半分近くで感染が確認され、これまでに8654人が亡くなりました。

これはフランス全体の死者の4割近くに上り、中には1つの施設で数十人が亡くなるケースも相次ぎました。

感染拡大の一因として指摘されているのはマスクなどの不足です。

全国の高齢者施設の労働組合などによりますと、先月の段階ではスタッフがマスクをつけることはなく、在庫もほとんどなかったということで、感染がスタッフを介して広がったケースも少なくないとみられています。

また、政府は感染予防策として先月28日から施設に対し、入所者を個室に隔離するよう求めましたが、専門家からは「人の接触が少なくなると、認知症の人は症状が進行するおそれがある」とか「運動機能が著しく低下する」などと、多くの懸念が示されました。

これを受けて政府は、今月20日から条件付きで家族の訪問を認め、各地の施設でガラス越しに入所者と面会できるようにするなど対応が進められています。

フランスでは、高齢者を感染から守りながら必要なケアをどう続けていくのか、対策の難しさが浮き彫りになっています。