「給付金申請を代行」コロナ口実の詐欺電話相次ぐ 多額被害も

「給付金申請を代行」コロナ口実の詐欺電話相次ぐ 多額被害も
「新型コロナウイルスに関する給付金の申請を代行する」といった詐欺の電話が相次ぎ、東京都内では70代の女性が、現金合わせて1000万円をだまし取られたことが分かりました。27日も女性の元には不審な電話があり、警視庁は感染拡大に乗じた詐欺の電話に注意するよう呼びかけています。
警視庁によりますと、感染の広がりをみせる新型コロナウイルスに関する口実で現金をだまし取ろうとする不審な電話が相次ぎ、都内では先月から27日までに17件確認されているということです。

具体的には「コロナで振り込まれる給付金10万円について申請の代行をする」とか、「コロナ対策の助成金がおりる」といったもので、厚生労働省や東京都コロナ対策本部の担当者を名乗るものもあったということです。

そして、多額の現金をだまし取られる被害も起きました。今月、東京 荒川区に住む70代の女性の自宅に兄をかたる電話があり、「コロナの関係で会社の書類をなくした。お金が必要なので別の者に取りに行かせる」と言われたということです。

女性は話を信じ、自宅を訪れた男に対し、複数回にわたって現金合わせておよそ1000万円を手渡してしまったということです。

27日午前中にも再び電話がかかっていて、女性が不審に思って警視庁に通報し、被害が発覚したということです。

警視庁は感染拡大に乗じた詐欺の電話に注意するよう呼びかけています。

新型コロナかたる詐欺電話 都内で17件

警視庁によりますと、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、都内では詐欺とみられる電話が17件相次いでいます。

まず、行政から助成金などが支給されるといった電話です。

豊島区の40代の男性には「助成金が出るので、手続きのためにATMに行ってください」と労働局の職員をかたる電話があったほか、あきる野市の50代の男性の自宅にも「給付金があるので案内に従ってください」という自動音声のガイダンスが流れる電話がありました。

また、葛飾区の80代の男性には「80歳以上の方には60万円の補助金が出るのでキャッシュカードと印鑑証明を用意してください」という電話がありました。

市役所の職員などを装ってコロナ対策の書類を送ったというものもあります。

国分寺市の60代の女性の自宅には「コロナ対策の書類を送りましたが、届いていますか」という市役所の福祉課をかたる電話があったほか、西東京市の70代の女性には「市役所の職員が給付金のための書類を持って伺います」という電話がありました。

さらに、金銭的に困っている人に不正な融資を持ちかけるものもあり、足立区の40代の男性には「コロナで困っていたら、500万円から3000万円を融資する」という電話があったということです。