イタリアやスペイン 制限緩和の動き 新型コロナウイルス

イタリアやスペイン 制限緩和の動き 新型コロナウイルス
新型コロナウイルスの感染拡大を抑えるため外出制限などの措置が続くイタリアでは、来月4日から工場の操業などが認められ段階的に制限が解除されることになりました。スペインでも条件付きで子どもの外出が認められるなどヨーロッパでは感染が深刻な国でも制限を緩める動きが広がっています。
新型コロナウイルスによる死者が2万6644人とヨーロッパで最も多いイタリアでは先月10日から全土で外出制限を行い経済活動も大幅に制限してきました。

コンテ首相は26日、記者会見を開き、来月4日から工場の操業や建設工事の再開を認めるほか、運動のための外出や家族のもとや公園に行くための外出も一定の条件で認めると発表しました。

さらに、今後は段階的に制限を解除していく方針を示し、来月18日には多くの商店の営業や博物館や美術館などの開館、6月1日からはレストランやカフェ、美容院などの営業を認めるとしています。
また、ヨーロッパで感染者が最も多いスペインでは26日、先月14日から続く外出制限が一部緩和され、条件付きで子どもの外出が認められました。子どもたちの外出は、自宅から1キロの範囲で1時間以内と厳しく制限されていますが、およそ6週間ぶりに子どもたちが保護者と散歩をしたり、広場で遊んだりする姿が各地で見られました。

スペインのサンチェス首相は今後状況が改善していけば、来月2日からは運動のための外出も認める考えを示しています。

イタリアやスペインなど感染が深刻な国でも新たに感染が確認される人の数は徐々に少なくなってきていて、経済活動の再開や外出制限の緩和に踏み切る動きが広がっています。

コンテ首相「イタリアを愛するなら、距離をとって」

イタリアのコンテ首相は記者会見で、新型コロナウイルスの感染が拡大するリスクは残っているとして「人との距離を開けることを尊重しなければ、死者は増加し、経済に後戻りできない損失を与えることになる。イタリアを愛するなら、距離をとってほしい」と述べて、制限を緩めたあとも感染予防として人と人との接触を減らすことに協力を呼びかけています。