遺体のPCR検査 独自に実施も 大学の法医学教室 新型コロナ

遺体のPCR検査 独自に実施も 大学の法医学教室 新型コロナ
亡くなった人について新型コロナウイルスの検査が不十分だと指摘されている中、死因の究明にあたっている大学の法医学教室では、遺体について独自にPCR検査を始めるところも出ています。専門家は「感染の拡大防止のために遺体についても検査を徹底すべきだ」としています。
病院や警察の依頼で亡くなった人の死因の究明を行っている全国およそ80の大学の法医学教室。解剖の件数は年間およそ2万件にのぼります。

千葉大学法医学教室の場合、これまで感染症の検査は保健所に依頼していましたが、新型コロナウイルスについては保健所が十分に対応できず、今月中旬からは独自にPCR検査を行うことにしました。

感染の可能性があるケースについて6件検査を行い、いずれも陰性だったということです。

ほかにも、和歌山県立医科大学などで遺体についてPCR検査ができるようになりましたが、多くの大学では人員や機材が不足していて体制が不十分なのが実態だということです。
千葉大学法医学教室の岩瀬博太郎教授は「死後に陽性が判明するケースは氷山の一角で、正確な感染者の把握や遺族などの感染防止の点から、遺体についても検査を徹底すべきだ。国などには必要な措置をとってもらいたい」と話しています。