日本で暮らす外国人“区別せずに支援を” 新型コロナウイルス

日本で暮らす外国人が、新型コロナウイルスの感染拡大によって直面している課題を話し合うセミナーが開かれ、参加者からは、外国人として区別せずに支援してほしいという声があがりました。
「日本で暮らす移民の声を聞こう」と題したセミナーは、国際開発学会の「人の移動と開発」研究部会などが呼びかけて25日午後、テレビ会議の形式で行われ、およそ220人がオンラインで参加しました。

セミナーでは、在日コリアンやナイジェリア、ネパール、それにベトナム出身の5人が代表として発言し、このうち福岡県に住むベトナム出身の女性は、技能実習生たちから、15人が一緒に暮らしながら工場で仕事を続けており、感染が心配だといった声があがっていることや、アルバイトができなかったり企業に内定を取り消されたりして困窮している留学生が多くいる実態を紹介しました。

また、現金10万円が国籍を問わず一律に給付される見通しになっていることに一部から批判の声があがったことについて、都内のネパール出身の女性は「人手不足の日本を手伝い、税金も支払っている。日本人と同じ義務を果たしている」と述べて、日本人と区別せずに支援してほしいと訴えました。

日本に在留する外国人は、去年末の時点で293万3137人と過去最高を更新しています。

セミナーに参加した在日コリアンのキム・プンアン(金朋央)さんは「新型コロナウイルスによって外国人が今まで抱えていた問題がより深刻になっている。外国人の滞在は一時的だという考えが日本の意識や政策の原点になっていると感じるので、それぞれの外国人の状況を踏まえて支援してほしい」と話していました。