大相撲 新たに6人感染確認 高田川親方や白鷹山ら 新型コロナ

大相撲 新たに6人感染確認 高田川親方や白鷹山ら 新型コロナ
日本相撲協会は、大相撲の高田川親方や十両の白鷹山など新たに6人が新たに新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。大相撲で、親方や十両以上の関取の感染が明らかになったのは初めてです。
日本相撲協会によりますと元関脇・安芸乃島の高田川親方は今週に入って発熱の症状があり、23日に新型コロナウイルスの検査を受けたところ、24日に陽性と判明したということです。

同じ高田川部屋に所属する十両の白鷹山は発熱などの症状はないものの、24日に検査を受け陽性と判明したということです。

このほか、幕下以下の力士4人が25日までに陽性が確認されたということです。

相撲協会は新たに感染が判明した6人について、いずれも病院に入院し療養しているとしています。

大相撲では今月10日に幕下以下の力士1人の感染が明らかになっていますが、親方や十両以上の関取の感染が明らかになったのは初めてです。

相撲協会は、幕下以下の力士が感染したいきさつや所属する部屋について明らかにしていません。

相撲協会は、高田川部屋を含めた感染した力士が所属する部屋について、保健所などの指導に基づき今後2週間は稽古や外出を一切行わず、部屋の消毒や体調管理を徹底し感染拡大防止に努めるとしています。

これまでの経緯と協会の説明

日本相撲協会は今月10日に大相撲の力士で初めての感染者が出たことを発表して以降、23日まで「ほかに体調不良の力士などがいるという情報はない」という説明を続けていましたが、25日になって一度に6人の感染が発表される事態となりました。

日本相撲協会は今月10日、幕下以下の力士1人が新型コロナウイルスに感染したことを発表し、ほかに体調不良を訴えている力士などの協会員はおらず、感染した力士は入院し容体は安定しているなどと説明しました。

そのうえで感染した力士の所属する部屋では稽古を中止として外出なども禁止としたほか、ほかの部屋も含め土俵の上で力士が体をぶつけあう稽古は控えるよう指示し、感染拡大の防止策を徹底していました。

日本相撲協会の芝田山広報部長は連日、報道陣の代表による電話取材に応じていて、23日まで「ほかに体調不良を訴えている力士がいるという情報はない」という説明を続け、感染した力士の部屋での外出禁止措置も解除するとしていました。

ところが24日になって状況は一変し「新たに体調不良を訴えている協会員がいる」と発表したうえで、25日に高田川親方など新たに6人の感染確認が一度に発表されました。

日本相撲協会は、高田川親方は23日、白鷹山は24日になってPCR検査を受けた結果、陽性と判明したとしています。

ただ残りの幕下以下の力士4人が所属する部屋や感染の経緯は明らかにしていません。

芝田山広報部長は、「親方は入院していて全く連絡がとれないので状況がわからない。白鷹山の稽古の状況もよくわからない。なるべく情報収集をしてお伝えしたい」と説明しています。

相撲部屋は集団生活 感染リスクも

相撲部屋は、稽古を行うだけではなく力士や親方が寝食を共にする集団生活を基本としていて、1人感染者が出れば感染が広がるリスクがあります。

東京・江東区にある高田川部屋は、師匠の高田川親方と幕内2人と十両1人の関取3人のほか、幕下以下の力士がおよそ20人。それに行司、若手を指導する若者頭、力士の大いちょうなどを結う床山が合わせて4人所属しています。

角界では幕下以下の力士と親方は部屋で集団生活をするのが基本です。力士たちは毎朝、稽古場で体をぶつけ合って稽古を行うだけでなく食事も一緒にとり幕下以下の力士は通常、大部屋で寝ています。部屋の中で感染者が出れば、ほかの力士などにも感染が広がるリスクがあります。

日本相撲協会は、これまでに感染が判明している幕下以下の5人の力士のしこ名などを明らかにしていませんが、この5人が所属する部屋では2週間、稽古や外出を一切行わないよう指示しています。

「夏場所は慎重に検討」芝田山広報部長

日本相撲協会の芝田山広報部長は、「幕下以下の力士については個人情報保護の観点で部屋名、力士名は公表しない。各部屋には接触を伴う稽古を自粛するように要請し、買い出しなども最少人数で回数を減らして行くように通達した」と説明しました。

2週間延期した来月の夏場所について「開催については何も決定していないが、こういう状況なので専門家の意見を踏まえつつ慎重に検討したい」と話していました。