新型コロナで外出制限 イギリスやアメリカでDVが増加

新型コロナで外出制限 イギリスやアメリカでDVが増加
新型コロナウイルスの感染拡大によって外出制限が続く中、イギリスのロンドンでは、DV=ドメスティック・バイオレンスによる事件が1か月余りで4000件以上に上っていることがわかり、閉ざされた場所にいる被害者をどのようにして守るかが大きな課題となっています。
新型コロナウイルスの感染拡大を抑止するため、違反者に罰金を科すなど厳しい外出制限が続いているイギリスでは、DVによる事件が増えています。

ロンドン警視庁によりますと、先月9日から今月19日までの間にロンドンで、DVによって逮捕に至った事件は4093件に上り、平均すると1日におよそ100件になるということです。

また、事件として処理されなかったものも含め、DV被害の通報は1万7275件で去年の同じ時期に比べ9%増加したとしています。

ロンドン警視庁は、「暴力から逃れるために家を離れても罰金を科されることはない。恐れずに助けを求めてほしい」とコメントしていて、閉ざされた場所にいる被害者をどのようにして守るかが大きな課題となっています。

米 NY州でもDV急増で相談態勢強化

一方、アメリカ東部のニューヨーク州では、外出制限が続くなか、DV=ドメスティック・バイオレンスが急増しているとして、電話だけでなく、ショートメッセージや電子メールで24時間態勢で相談を受け付けることにしています。

ニューヨーク州によりますと、常設のDVホットラインに寄せられた相談件数は、先月は前の月より18%増え、今月の件数は去年の同じ時期と比べて30%増加しました。

このため州では、被害者と加害者が一緒に自宅にいれば電話での通報は不可能だとして、ショートメッセージと電子メールで24時間態勢で相談を受け付けることにしています。

新型コロナウイルスの感染拡大にともなって、DVはアメリカだけでなく、世界的な社会問題の1つになっていて、国連のグテーレス事務総長は今月5日、「すべての国の政府に対して、新型コロナウイルスの感染対策を実行する際に、女性や子どもへの暴力の防止に重点的に取り組むよう求める」とする声明を発表しています。