新型ウイルス コロナ在宅で目の疲れ

新型ウイルス コロナ在宅で目の疲れ
職場に毎朝、出勤していたころは在宅勤務に憧れていたこともあったけれど、いざ実際に始めてみると、思いがけず苦労することもあるようです。そのひとつが「目の疲れ」です。在宅勤務と目の疲れの関係を取材しました。
(ネットワーク報道部記者 管野彰彦 松井晋太郎)

“目の疲労半端ない”

東京などに緊急事態宣言が出され、政府が事業所に呼びかけて以降、さまざまな職場で在宅勤務が急速に進んでいます。こうしたなか、ツイッターには在宅勤務による「目の疲れ」を訴えたツイートが数多く投稿されています。
「在宅勤務するようになって、ますます目が疲れるようになった。スマホ見る機会が増えてるし、目に負担かかってるんだろうな」
「1日おきにテレワーク。ノートPCの小さい文字見てると眼が疲れる」
「在宅勤務の何が一番きついって、眼の疲労との闘いな気がしてきた…」
「在宅の閉鎖感からか目の疲労半端ない」
「リモートだとMTGも全て液晶画面越しだから、やっぱ目が疲れる」
自宅でできる作業と言えばパソコンを使ったものが多くなるうえ、これまで対面で行ってきた会議や社内でのやり取りの多くも画面越しのものにとって代わったことで、液晶画面を見続ける時間が増えたことが背景にあるようです。

めがね店にも

「在宅勤務で目が疲れるようになったので、何とかしたいというお客さんは増えています」

そう話すのは埼玉県行田市のめがね店、「サカタメガネ」の坂田頼彦さん。
店には3月の終わりごろから、問い合わせが来るようになり、緊急事態宣言が出た4月7日以降、その数が増えたといいます。

このため坂田さんは、お客さんにはパソコンを見ても目に負担が少ないめがねを勧めてきました。
坂田さん
「通常、めがねは5メートルほど先の物がよく見えるように調整して作られているので、パソコン画面など近い物を見るためにはピントを近くに変えた眼鏡を新しく作るのが一般的です」
この店でも当初はそのように対応していたそうですが、そこに立ちはだかったのが「外出自粛」でした。

めがねを作るうえで重要なのは「検査」と「フィッティング」。お客さんに店に来てもらう必要があるのですが、来店客は激減。販売本数はこのままでは半減しそうだということです。

なんとか工夫で

そこで打ち出したのが、めがねの外側にもう一つのレンズをつけることで、ピントをあわせる商品。2つのレンズの組み合わせで度数を調整することで、近くのものにピントを合わせることができる仕組みです。

使っているめがねを郵送してもらえば、作ることができるといいます。

坂田さんは「目が疲れていてもお店には来れないという人も多いので、こうした商品で、その悩みを解決できればいいですし、店にとっても経営の危機なので、売り上げの足しになればいいなと思っています」と話していました。

原因は

悩みが多い在宅の疲れ目。

ドライアイや角膜の研究が専門の眼科医で、慶應義塾大学医学部眼科学教室、坪田一男教授に、その原因やパソコンでの作業の注意点を聞きました。
在宅勤務によってパソコンと向かい合って仕事をする時間が増えると主に2つの原因で目に疲れが生じるといいます。

1つ目は、「毛様体筋」と呼ばれ、物を見るために目の水晶体を引っ張ったり緩めたりしてピントを合わせる筋肉。手元にあるパソコン画面に何度も細かくピントを合わせようとするために、筋肉に疲れが生じて目の疲れにつながっているそうです。

2つ目は、ドライアイが原因だと指摘しています。パソコンで作業をすると画面を凝視してしまうため、まばたきの回数が減るということです。
坪田教授
「人はふだんは1分間に20回まばたきをします。まばたきをすることで目の乾きを抑えていますがパソコンを見ていると1分間に6回から7回しかまばたきをしません。するとドライアイになってしまいます」
ドライアイになると目の表面が乾いて傷つきやすくなります。そうすると目の疲れにつながります。

目の疲れで失明することはないということですが、目が疲れると肩こりや頭痛につながるだけでなく、精神的にふさぎ込むおそれがあるなど作業効率が落ちるということです。

また、パソコンやスマートフォンから出る光には、ブルーライトと呼ばれる波長が短く強い光が多く含まれていて、目によくないとうことです。

対策は

在宅勤務が増える中、目を疲れにくくするには、同じ作業を続けず太陽の光を浴びることが重要だと話してくれました。
坪田教授
「ウェブで行う会議を1時間、2時間と続けないことです。小学校の授業のように45分間作業をしたら必ず15分の休憩を入れて目を休めること。その際、自宅にベランダやテラスがあれば外に出るなど太陽の光を浴びることが大切です。また家で作業をする場合も光の当たる窓の近くで行うこと、時には窓を開けて仕事をすることなど工夫が必要です」
そして、目が疲れたと感じた時には、睡眠などで目を休めることが何より大切だということです。
自宅でパソコンなどに向き合う機会はオンラインの飲み会や授業など在宅勤務以外でも広がりを見せています。

この緊急事態を乗り切るには、疲れ目にも上手に付き合っていくことが必要なようです。