東京都 小池知事 休業応じないパチンコ店 28日に店名公表へ

東京都 小池知事 休業応じないパチンコ店 28日に店名公表へ
東京都の小池知事は、営業を続けるパチンコ店について今後、文書による要請や現地確認を重ねたうえで休業に応じてもらえない場合、今月28日には新型コロナウイルス対策の特別措置法の45条に基づいて店名を公表する考えを示しました。
東京都の小池知事は、24日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて都が休業を要請しているパチンコ店について、「営業を続けている店があるという情報がこれまでにおよそ200件、96店、寄せられている。現在、個別の店舗について営業の確認を行っていて、確認できた41店に対しては電話での休止要請を行った」と述べました。

そのうえで、「きょう付けで15の専属チームを編成し、あすから現地で確認を行い、必要に応じて個別に要請する。今後、文書による要請や現地確認を重ね、来週4月28日には、協力いただけない店舗について特別措置法の45条2項に基づく要請と店舗名の公表を始めていきたい」と述べ、休業に応じてもらえない場合、今月28日には新型コロナウイルス対策の特別措置法の45条に基づき、店名を公表して要請を行う考えを示しました。

営業継続のパチンコ店

東京都内でも郊外を中心に、依然として営業を続けているパチンコ店があります。

都内のあるパチンコ店では、24日も午前10時の開店と同時に次々と客が入っていき、日中は常に数十人が店の中にいる状態でした。

建設会社に勤める70歳の男性は「新型コロナウイルスの影響で仕事が休みなので、暇つぶしに来た。感染の不安がないと言えばうそになるが、家でじっとしていられない」と話していました。

休業の要請に応じない店を公表するなどの対応については「店が開いていれば暇な人間は行ってしまうので、より強い措置がとられるのは仕方がない」と話していました。

また、タクシー運転手の60歳の男性は「仕事が減って暇なので来た。自分で健康管理をすれば大丈夫だと思う。休業の要請はやむをえないと思うが、パチンコができない人はストレスがたまってしまうのではないか」と話していました。

パチンコ店 営業継続の事情

休業の要請が出ている中、一部では営業が続けられているパチンコ店。

関係者によりますと、店側にもやむをえない事情があるといいます。

パチンコ店の中には建物を借りて営業しているところもあり、高いところでは毎月数百万円の家賃を払っているといいます。

東京都の場合、休業に対する協力金は最大で100万円ですが、店の家賃や従業員の給料、そのほかの経費を考えると、店を休業した場合大きな赤字になってしまうということです。

現在も営業を続けている都内のパチンコ店の幹部によりますと、店には「なぜこんな時期に営業しているのか、非常識だ」、「今すぐ店を閉めろ」などといった電話がかかってくるということです。

この幹部は「今の状況などを考えると休業したほうがよいのは分かるが、経営のことを考えると続けるしかない」と話しています。

また、休業要請に応じたパチンコチェーン店の運営会社幹部は「パチンコ店の場合、飲食店のようにテイクアウトのようなことができず、店を開ける以外に収入を得る手段がない。うちは休業してもまだぎりぎりやっていけるが、規模の小さい店は休業すれば店をたたむしかないので続けるところはあるだろう。事業の規模に対して休業の補償があまりに少なすぎる」と話していました。

業界団体「休業したくてもできないのが実情では」

警察庁などによりますと、パチンコ店は全国におよそ1万店あるということです。

全国のほとんどのパチンコ店が加盟する組合の上部団体、全日本遊技事業協同組合連合会によりますと、営業を自粛するよう呼びかけた結果、ほとんどの店が応じて休業の措置をとっているということです。

その一方で、要請に応じず依然として営業を続けている店があることについて「休業を強制することは法的にも難しい。休業すれば店の賃料や従業員の人件費のほか、パチンコ台などの費用が払えず、休業したくてもできないというのが実情ではないか」としています。

自治体職員訪問に警察官同行も

警察庁は休業要請に応じないパチンコ店について、自治体の職員が店を訪問して休業を求める場合、必要に応じて警察官が同行しトラブルの防止などにあたるよう全国に指示しました。