大阪府 吉村知事 営業継続6パチンコ店の店名公表 新型コロナ

大阪府 吉村知事 営業継続6パチンコ店の店名公表 新型コロナ
大阪府の吉村知事は、府の休業要請に応じず、営業を続けている府内の6つのパチンコ店について、新型コロナウイルス対策の特別措置法の45条に基づいて店名を公表しました。法律に基づく店名の公表は全国で初めてです。
大阪府は、新型コロナウイルスの「緊急事態宣言」を受けて、府内の遊興施設や運動施設などに対し、今月14日から来月6日までの休業を要請していますが、パチンコ店など要請に応じない施設があるという通報が、府に相次いで寄せられています。

このうち、電話などでの要請に応じなかった11のパチンコ店に対し、府は、23日までに文書で休業を要請しましたが、6つの店舗がこれに応じず、24日も営業を続けているということです。

このため吉村知事は24日午後、府の休業要請に応じず、営業を続けている大阪市と堺市、それに枚方市の6つのパチンコ店に対し、新型コロナウイルス対策の特別措置法の45条に基づいて、より強い要請を行ったことを明らかにしたうえで、店名を公表しました。

吉村知事は「公表した理由は新型コロナウイルスのまん延防止のためだ。府民の皆さんはこれらのパチンコ店には行かないよう、感染拡大防止にご協力をお願いしたい。店には、まずは休業要請に応じていただきたい」と述べました。

そのうえで、吉村知事は今回の6つの店舗以外に休業要請への協力を求めているパチンコ店が28店舗あることを明らかにしたうえで、要請に応じない場合は、来週にも店名の公表などに踏み切る考えを示しました。

休業の協力要請に応じない店について、特別措置法とガイドラインに基づき店名を公表するのは全国で初めてです。

その後、吉村知事は記者団に対し、店名を公表した6つのパチンコ店のうち、大阪市内の2つの店舗から「休業する」と連絡があったことを明らかにしました。

府では、この2つの店が休業しているかどうか、あす職員を派遣して確認することにしています。

店名公表6店のコメント

6つのパチンコ店のうち、堺市にある1つの店の運営会社はコメントを出し、この中で、「当社としても従業員や顧客の安全第一に考え、速やかに休業したいところですが、従業員の雇用の確保や生活の保障をしなければなりません。大変残念なことにパチンコ店は政府のセーフティーネット保証の対象にもなっていません。国民の皆さまが耐え忍んでいる中、営利追求のために営業を継続するわけではなく、休業したくてもできない窮状にあることを何とぞご理解ください」としています。

そして消毒や換気など感染防止策を徹底して営業しているとした一方、今回の店名の公表で営業中だと知り、来店することは控えるよう呼びかけています。

堺市のほかの2店舗は「現在、対応を協議している」とか、「店長から取材は断るように言われている」と話しています。

大阪市の2つの店はいずれも「取材には対応できない」としています。

枚方市の店は、取材に対し「愛知県にある本社の指示で営業しているので、営業するか否かの権限がない。店舗としては何も言えない」と話しています。

6店の周辺の人は

大阪府が休業要請に応じないパチンコ店の名前を公表したことについて、店舗の周辺で受け止めを聞きました。

大阪 平野区の2つの店の近くに住む女性は、「休業要請が出ているのに店が開いているのには驚いています。公表したのはいいことだと思う」と話していました。

先月までパチンコをしていたという男性は、「ふだんと比べて最近、客の数は増えています。公表することでパチンコをしにくる客がさらに増えるのではないかと心配です。ただ、大手ではない店はパチンコ台の費用や従業員の人件費もあって休業するのは難しいと思います」と話していました。

枚方市の店舗の近くに住む20歳の女子大学生は、「日本全体で自粛していこうとみんなが頑張っている中で、営業を続けているのはよくないと思うし、名前が公表されることがどれだけ重大なことか店には考えてほしい。ただ、パチンコ店だけが公表されることには違和感を感じるので、要請に応じない業種はすべて一斉に公表すべきだと思います」と話していました。

また、74歳の男性は「休業要請に応じない施設は公表すると知事が前から言っていたので公表は当然だと思います。この辺りの小さい商店も経営が苦しいながらも休業しているので、営業していること自体が理解できないです」と話していました。

スーパー「3密」対策も発表

大阪府の吉村知事は、スーパーマーケットが「3密」の状態になることを防ぐため、高齢者や妊婦などが優先的に利用できる時間を1時間程度設けることや、混雑時の入場制限の実施などを求める独自の対策を発表しました。府では、スーパー各社に対し、25日からの協力を求めることにしています。

大阪府は、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、多くの買い物客が訪れるスーパーマーケットが、「3密」の状態になることを防ぐための対策の検討を進め、24日、吉村知事が発表しました。

この中では、各スーパーに対し、
▽高齢者や妊婦などが優先的に利用できる時間を1時間程度設けることや、
▽客がレジに並ぶ位置の指定、
▽特定の曜日や時間帯に行う特売やポイントアップなどをできるかぎり取りやめること、
▽それに、混雑時の入場制限の実施などを求めています。

また、府民に対し、買い物の際には、家族連れで行くことを避けることや、店内ではマスクを着用することなどを求めています。

大阪府では、スーパー各社に対し今回の府の方針を説明したうえで、25日からの協力を求めることにしています。