移民労働者の送金減少 発展途上国での影響懸念 世界銀行

移民労働者の送金減少 発展途上国での影響懸念 世界銀行
世界銀行は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、移民の労働者の母国などへの送金が去年と比べておよそ2割減少するという見通しを明らかにし、こうした送金に頼る発展途上国への影響が懸念されます。
世界銀行は22日、移民の労働者による母国などへの送金額に関する報告書を公表し、ことしの送金額は去年に比べて19.7%、金額にして1090億ドル減少する見通しだと明らかにしました。

新型コロナウイルスの感染拡大で各国での雇用が大きな影響を受けていることが要因で、移民の労働者は給与を下げられたり、解雇されたりするなど影響を受けやすいと指摘しています。

地域別では減少する送金額の割合は
▼ヨーロッパや中央アジア地域で28%、
▼南アジア地域で22%、
▼中東・北アフリカ地域で19.6%、
▼中南米・カリブ地域で19.3%、
▼東アジア・太平洋地域で13%と見込まれています。

世界銀行によりますと移民の労働者による母国などへの送金額は去年、過去最も多いおよそ60兆円に達し、発展途上国では貧困の緩和や栄養状態の改善、教育レベルの向上や児童労働の減少につながっているということです。

世界銀行では「先進国と発展途上国の双方で、貧しい人や影響を受けやすい立場の人を支援する制度を機能させることが不可欠だ」として、各国に対応を求めています。