療養は自宅でなく宿泊施設が基本に 医師らの確保が課題 コロナ

療養は自宅でなく宿泊施設が基本に 医師らの確保が課題 コロナ
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新型コロナウイルスの軽症患者などの療養場所について、厚生労働省は自宅は避けて、宿泊施設を基本とする方針に変更しました。今後、患者の容体が急変した時に対応する医療関係者をいかに確保するかが課題となります。
軽症患者や症状のない人について、厚生労働省は、これまで自宅か宿泊施設で療養してもらう方針を示していましたが、埼玉県で自宅待機中だった男性患者が死亡したことも踏まえ、自宅は避けて、宿泊施設での療養を基本とする方針に変更しました。

加藤厚生労働大臣は「家族内の感染防止の必要があることと、患者の容体が急に変化する可能性もあることから、宿泊施設で対応する方が患者の安全につながる」と述べました。

厚生労働省によりますと、32の都道府県で、宿泊施設に軽症患者を受け入れる取り組みを進めていて、日中は施設内に保健師か看護師が常駐する体制になっているということです。

ただ全国に先駆けて取り組みを進めている東京都からは、患者の容体が急変した時に対応する医師などの配置を求める声も出ていて、感染拡大によって医療現場の体制がひっ迫するなか、宿泊施設で対応する医療関係者をいかに確保するかが課題となります。

東京 自宅選ぶ人が多く、客室に空き

新型コロナウイルスに感染し、入院の必要がないと診断された軽症や症状がない人について、自宅から直接ホテルに受け入れる取り組みを東京都が始めて、24日で1週間になります。都によりますと、自宅での療養を選ぶ人が多く客室に空きがあるということで、家庭内での感染を防ぐ観点からも自宅からの移動をどう促すかが課題になっています。

東京都は港区にある「品川プリンスホテル」の「イーストタワー」で、入院の必要がないと診断された軽症や症状がない人を、自宅から直接受け入れる取り組みを今月17日から始めました。

24日で1週間になりますが、都によりますと、受け入れ可能な人数が450人程度であるのに対して、23日の時点でホテルに入ったのは99人で、客室にまだ空きがあるということです。

都はホテルか自宅かどちらで療養するか聞かれた際、症状がない人を中心に、ホテルでは自由に過ごせないなどとして自宅を希望する人が多いと説明しています。

ただ、家庭内での感染が疑われるケースもあり、23日は感染経路が分かっている人のうちおよそ35%の17人が家庭内感染したとみられるということです。

都はこうした感染を防ぐ観点からもホテルでの療養が望ましいとしていて、自宅からの移動をどう促すかが課題になっています。

東京都の小池知事は23日夜、記者団に対し、「病院や自宅ではなく、宿泊先での医療ケアもしっかりするので移っていただく。しっかりと回復して治癒されることのお手伝いをさせていただく」と述べました。