「死ぬかも」と感じた“せき” コロナ元感染者の症状とは 仙台

「死ぬかも」と感じた“せき” コロナ元感染者の症状とは 仙台
新型コロナウイルスに感染した仙台市の50代の男性がNHKのインタビューに応じ、「死ぬかもしれない」と感じるほど、せきが出て苦しかったと症状を説明しました。また、同じく感染した大学生の長男が、当時の行動に関してネット上でひぼう中傷を受けたことを明かし、「息子は傷ついている」と語りました。
NHKのインタビューに応じたのは、今月9日に新型コロナウイルスへの感染が確認され、22日退院した仙台市に住む50代の男性です。

男性の長男で、仙台大学に通う男子学生も今月11日に感染が確認されました。

先に症状が出始めたのは長男で、先月、東京都内で5日間就職活動をして、仙台市に戻った27日の夜、38度5分の熱が出ました。

男性は新型コロナウイルスへの感染を疑い、翌日に帰国者・接触者相談センターに相談しました。

しかし、相談センターから紹介された発熱外来がある専門の医療機関で、肺のレントゲン検査などを受けた結果、長男は「解熱剤で熱が下がればかぜだ」という診断を受けたといいます。

2日後の30日、男性は再び相談センターに連絡を取りましたが、長男はその日から平熱になったため、「PCR検査の対象外」とされました。

31日になると今度は男性に38度8分の発熱があり、その後、熱が上がったり下がったりを繰り返すようになりました。

2回目に熱が上がった今月4日に相談センターに連絡して医療機関を受診しましたが、ここでも「息子のかぜがうつった」と診断されました。

男性はその後、解熱剤を飲んでいったんは熱が下がりましたが、再び発熱したため、8日に相談センターを通じてPCR検査を受け、9日に感染が確認されました。

平熱になっていた長男も濃厚接触者として検査を受け、11日に感染が確認されました。

男性は10日に入院し、新型インフルエンザ治療薬の「アビガン」や、ぜんそくに使う「オルベスコ」を服薬し、2回の陰性が確認されたため22日退院しました。

男性は入院直前の7日夜から入院初期までが、最もせきの症状が重かったということで「腹筋がつるぐらいのせきが何度も出て、寝ようとしてもせきで起きてしまい、もうそのまま死ぬんじゃないかと思ったこともありました。早くPCR検査をしてくれれば、ここまで死の恐怖を味わうこともなかったと思います」と話していました。

一方、長男は平熱になってから感染が確認されるまで、アルバイトや友人の家などに出かけていて、感染が確認された12日、仙台大学はホームページで「一貫して自宅待機していた」と公表しましたが、3日後に「調査が不十分だった」として内容を訂正しました。

この経緯について男性は「11日の感染確認の直後に長男が顧問の先生に報告したが、『発熱している間は自宅にいた』という説明だけをして、そのほかの経緯を詳しく話していなかった。すぐに発表されることも知らなかったし、気が動転していた」と説明しました。

SNS上では長男の行動について「うそつき」とか、「人殺し」などといった投稿が相次ぎ、「検査で陽性が出てからバイトに行った」などの誤った情報もありました。

こうした投稿について男性は「息子はかなり傷つき、『学校に行けない』と話していて、彼の居場所がなくなるのがいちばん心配です。投稿する人は怒りにまかせて書いていると思いますが、本当の事情を知ってほしい」と話していました。