政府の景気判断「急速に悪化」10年11か月ぶりに「悪化」の表現
新型コロナウイルスの感染拡大で世界経済がいっきに悪化していることを受けて政府は、今月の月例経済報告で景気の現状についての判断を、「急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」としました。先月に続いて2か月連続の下方修正で、景気判断に「悪化」の表現が入るのは10年11か月ぶりです。
政府が関係閣僚会議でまとめた今月の月例経済報告には、新型コロナウイルスの感染拡大による深刻な影響が反映されました。
このうち「個人消費」は「感染症の影響により、急速に減少している」とし、2か月連続で判断を下方修正しました。
大型連休期間中の新幹線や特急列車の予約が、去年の10分の1程度まで減少するなど、外出自粛の影響が一段と鮮明になっているためです。
「輸出」も「このところ減少している」として1年3か月ぶりに、「企業の生産」も「減少している」として4か月ぶりに、それぞれ判断を下方修正しました。これは、世界的に需要が減っていることや、部品の供給が滞っている影響で、自動車の生産や輸出が大きく落ち込んでいるためです。
また、「雇用情勢」も企業からの求人数は、2月以降、減少の幅が拡大しているとして、「足元では弱い動きがみられる」と2か月連続で判断を下方修正しました。
これらを踏まえて景気の現状についての判断は「新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」として、2か月連続で下方修正しました。
景気判断に「悪化」の表現が入るのは、リーマンショックのあとの2009年5月以来、10年11か月ぶりです。
このうち「個人消費」は「感染症の影響により、急速に減少している」とし、2か月連続で判断を下方修正しました。
大型連休期間中の新幹線や特急列車の予約が、去年の10分の1程度まで減少するなど、外出自粛の影響が一段と鮮明になっているためです。
「輸出」も「このところ減少している」として1年3か月ぶりに、「企業の生産」も「減少している」として4か月ぶりに、それぞれ判断を下方修正しました。これは、世界的に需要が減っていることや、部品の供給が滞っている影響で、自動車の生産や輸出が大きく落ち込んでいるためです。
また、「雇用情勢」も企業からの求人数は、2月以降、減少の幅が拡大しているとして、「足元では弱い動きがみられる」と2か月連続で判断を下方修正しました。
これらを踏まえて景気の現状についての判断は「新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」として、2か月連続で下方修正しました。
景気判断に「悪化」の表現が入るのは、リーマンショックのあとの2009年5月以来、10年11か月ぶりです。
経済再生相「過去に例ない極めて厳しい状況」
西村経済再生担当大臣は、関係閣僚会議のあとの記者会見で、「新型コロナウイルス感染症の拡大防止のために、国民に不要不急の外出の自粛を要請しており、そのもとで、家計や企業の経済活動は急速に縮小するという過去に例を見ない、極めて厳しい状況になっている」と指摘しました。
そのうえで「先行きについても感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれる。また感染症が国内外の経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要がある。金融資本市場の変動などの影響を注視する必要がある」と述べました。
そのうえで「先行きについても感染症の影響による極めて厳しい状況が続くと見込まれる。また感染症が国内外の経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要がある。金融資本市場の変動などの影響を注視する必要がある」と述べました。
急速に悪化する経済指標
23日の月例経済報告の関係閣僚会議には、急速に悪化している経済指標が相次いで示されました。
このうち、個人の景気の実感を示す「景況感」については、働く人たちを対象とした「景気ウォッチャー調査」で3月の景気の現状を示す指数が14.2まで落ち込み、統計が比較できる2002年1月以降で最悪となりました。
そして、今回判断が下方修正された「企業の生産」と「輸出」に関連して、自動車の生産が今後大きく減少するという見通しも示されました。
世界的に需要が減っていることや部品の供給が滞っている影響で、自動車メーカー各社が工場の操業を一時的に停止しているためで、内閣府の試算では4月の生産は去年と比べて26%減ると見られています。
これを受けて輸出は、4月以降も減少が続く見込みだとされました。
こうした中で、新型コロナウイルスに関連する企業の倒産が2月以降、毎月増加しているほか、雇用情勢は、企業からの求人数が2月以降、毎月、減少の幅が大きくなっていることが示されました。
景気の先行きについて、今月の月例経済報告では「極めて厳しい状況が続くと見込まれる」としたうえで、「感染症が国内外の経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要がある」としています。
このうち、個人の景気の実感を示す「景況感」については、働く人たちを対象とした「景気ウォッチャー調査」で3月の景気の現状を示す指数が14.2まで落ち込み、統計が比較できる2002年1月以降で最悪となりました。
そして、今回判断が下方修正された「企業の生産」と「輸出」に関連して、自動車の生産が今後大きく減少するという見通しも示されました。
世界的に需要が減っていることや部品の供給が滞っている影響で、自動車メーカー各社が工場の操業を一時的に停止しているためで、内閣府の試算では4月の生産は去年と比べて26%減ると見られています。
これを受けて輸出は、4月以降も減少が続く見込みだとされました。
こうした中で、新型コロナウイルスに関連する企業の倒産が2月以降、毎月増加しているほか、雇用情勢は、企業からの求人数が2月以降、毎月、減少の幅が大きくなっていることが示されました。
景気の先行きについて、今月の月例経済報告では「極めて厳しい状況が続くと見込まれる」としたうえで、「感染症が国内外の経済をさらに下振れさせるリスクに十分注意する必要がある」としています。
わずか2か月で「回復」→「悪化」に
月例経済報告の景気判断は、ことし2月には「緩やかに回復している」とされていましたが、わずか2か月で「急速に悪化」に下方修正されました。
前回、景気判断に「悪化」という表現が使われていたのは、リーマンショック後の2008年12月に「景気は悪化している」とされてから、2009年5月に「景気は厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっている」という判断が示されるまでの間でした。
それより前の2008年7月の判断が、「回復」という表現が使われた最後で、この時には、「景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる」とされました。
つまり、リーマンショックの際には「回復」から「悪化」に表現が変化するのに5か月の時間があったことが分かります。
この間、景気判断は「弱含んでいる」とか「弱まっている」などとされ、階段を降りるように景気が悪化していく様子が示されています。
今回はわずか2か月で、景気判断が「回復」から「悪化」まで急激に変化しました。
新型コロナウイルスの感染拡大によって短期間で経済活動が一気に冷え込み、転がり落ちるように景気が悪化していることを示しています。
前回、景気判断に「悪化」という表現が使われていたのは、リーマンショック後の2008年12月に「景気は悪化している」とされてから、2009年5月に「景気は厳しい状況にあるものの、このところ悪化のテンポが緩やかになっている」という判断が示されるまでの間でした。
それより前の2008年7月の判断が、「回復」という表現が使われた最後で、この時には、「景気回復は足踏み状態にあるが、このところ一部に弱い動きがみられる」とされました。
つまり、リーマンショックの際には「回復」から「悪化」に表現が変化するのに5か月の時間があったことが分かります。
この間、景気判断は「弱含んでいる」とか「弱まっている」などとされ、階段を降りるように景気が悪化していく様子が示されています。
今回はわずか2か月で、景気判断が「回復」から「悪化」まで急激に変化しました。
新型コロナウイルスの感染拡大によって短期間で経済活動が一気に冷え込み、転がり落ちるように景気が悪化していることを示しています。