自宅待機中に死亡 男性は前日「呼吸が苦しい」 新型コロナ

自宅待機中に死亡 男性は前日「呼吸が苦しい」 新型コロナ
新型コロナウイルスに感染し、自宅待機中だった埼玉県内の50代の男性が死亡した問題で、男性は死亡の前日、連絡を取った県の保健師に対し「呼吸が苦しい」などと訴えていたことが分かりました。埼玉県は、対応を検証するとともに自宅で待機している人などの容体の変化を把握して、迅速に救急搬送する体制を整備したいとしています。
この問題は、新型コロナウイルスに感染し、自宅待機中だった埼玉県白岡市に住む1人暮らしの50代の会社員の男性が21日、死亡したものです。

埼玉県内では病床がひっ迫していることもあり、基礎疾患がなく軽症だったこの男性は、入院できる病床が空くまで自宅待機を余儀なくされていました。

感染が確認されたあとは、毎日少なくとも1回、保健師が電話で連絡を取っていましたが、死亡の前日の夜、連絡を取った際に男性は「呼吸が苦しい」と訴えていたことが新たに分かりました。

県は22日の会見で「緊急性は認められず、急変の兆候は見られなかった」として、すぐに入院させず、翌日、入院してもらう予定だったと説明していました。

県では、今回の対応について検証するとともに、保健所などに、血液の酸素濃度を測る「パルスオキシメーター」という機器を配備し、自宅で待機している人などの容体の変化を把握して、迅速に救急搬送する体制を整備することにしています。

加藤厚労相「軽症者の療養 宿泊施設を基本に」

埼玉県内の50代の男性が新型コロナウイルスに感染し、自宅待機中に死亡したことに関連して、加藤厚生労働大臣は、今後、軽症患者などの療養場所は、急激な容体の変化にも対応できるよう、宿泊施設を基本とする方針を明らかにしました。

新型コロナウイルスに感染し、自宅待機中に死亡した埼玉県内の50代の男性について、埼玉県の大野知事は、対応を検証する考えを示しています。

これに関連して、加藤厚生労働大臣は、都内で記者団に対し、軽症患者や症状のない人への対応について、「これまで体制が整っておらず、自宅と宿泊施設での療養が並列的な形だったが、かなりの地域で宿泊療養の体制ができた」と述べました。

そのうえで、「自宅での療養は家族に感染を広げるおそれがあるほか、本人の容体が急に変化する可能性もあるので、宿泊施設での療養を基本とする方針とし、きょうにも各自治体に通知を出したい」と述べ、今後、軽症患者などの療養場所は、急激な容体の変化にも対応できるよう、宿泊施設を基本とする方針を明らかにしました。