プロ野球とサッカーJリーグ「まずは無観客が妥当」専門家見解

プロ野球とサッカーJリーグ「まずは無観客が妥当」専門家見解
プロ野球とサッカーJリーグが新型コロナウイルスの対応策を協議する「対策連絡会議」が開かれ、専門家からは緊急事態宣言が解除された後、まずは無観客で試合を開催するのが妥当という見解が示されました。
6回目の対策連絡会議はウェブ形式で開かれ、プロ野球12球団の代表者やJリーグの理事などが3人の感染症の専門家から新型コロナウイルスの感染拡大の現状について意見を聞きました。

会議では政府からの緊急事態宣言が解除されない中での試合の開催は難しく、現時点ではシーズン開幕や公式戦の再開を考えられる状況ではないという認識で一致しました。

そして会議のあとの会見で東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は、「まずは無観客という形になると思う」と述べ、試合が開催できたとしても当面は無観客での開催が妥当との見解を示しました。

プロ野球の斉藤惇コミッショナーは「無観客であってもスタートしたいという気持ちは変わらない」と話しました。

またJリーグの村井満チェアマンは「無観客というのも想定しなければいけない」と今後、検討していく考えを示しました。

会議ではこのほか、選手やチームスタッフの感染予防の徹底やメンタル面のサポートが必要という意見を受け、今後、専門家が映像を使って感染予防のポイントを伝えたり、選手からの質問に答えたりする仕組みを検討していくことになりました。

無観客の期間「現時点ではわからない」

対策連絡会議のメンバーで東北医科薬科大学の賀来満夫特任教授は会議のあとの会見で、プロ野球のシーズン開幕とJリーグの公式戦再開は、無観客で始めるのが妥当とする考えを述べましたが、無観客の期間については「現時点ではわからない」と述べ、現状では見通しを立てるのが難しいとしました。

その一方で、すでに無観客で開幕した台湾のプロ野球と来月5日に開幕する予定の韓国のプロ野球を例にあげ、「はじめは無観客で段階的に観客を入れていくのではないか。日本の現状は台湾、韓国とは違うが、感染の状況が緩和されてきた時には、リスクを下げる形にして観客に入ってもらうシミュレーションもしなければならない」と見解を示しました。

斉藤コミッショナー「無観客であってもスタートしたい」

斉藤コミッショナーは会議のあとの会見で「緊急事態宣言が解除されないかぎりは試合の開催は難しいという話を伺った。きょうの時点で具体的な判断を下せる状況には至っていないが、なんらかの形で開幕を見通せる方法がないか模索していきたい」と話しました。

また、専門家から無観客での開幕が妥当という見解が示されたことについて「元気なプロスポーツの状況をテレビやインターネットで家にいる皆さんになんとかお伝えしたい。無観客であってもスタートしたいという気持ちは変わらない」と述べました。

村井チェアマン「洞察が必要」

Jリーグの村井満チェアマンは、対策連絡会議でまずは無観客での試合開催が妥当という見解が示されたことについて、「無観客と言っても選手の移動のリスクを十分考慮する必要があり、簡単なものでないと認識している。今までは観客を半分にすることなどを検討してきたが、この段階からは無観客での開催も洞察が必要でシミュレーションに加えていきたいと考えている」と話しました。

そのうえで、新型コロナウイルスが終息する前にスポーツを再開してもいいのかという質問に対して、「スポーツが国民を鼓舞したり勇気や希望を与える可能性もあるとも信じている。第一は、国民の健康だが、皆様の意見を注視して再開に向けた準備をしていきたい」と話しました。